＜感謝の気持ちを忘れない＞
　商品に対するきめ細やかな心配りと先を読む大胆さは、花田社長の女性らしい感性と男性のような行動力で築き上げられたものである。それによって組み上げられた組織力も、同社が安定して実績を伸ばしてきた原動力となっている。前述の通り、タレントグッズの販売は、ファンからの熱烈な支援があってこそ成り立つ。ファンの夢をかたちにするのである。その実行部隊であるデザイン部門の活躍は、同社の心臓部と言っても過言ではない。
　同社のデザイナーたちは、まず芸能人自身を知ることから始める。そして、芸能人それぞれの良さを熟知したうえでデザインを開始する。素材である写真を写真家から入手し、それを最もファンに受け入れられるであろうかたちに加工する。それはうちわであることもあるし、メモパッドである場合もある。ポスターやカレンダーにも加工する。芸能人という括りで、縦横に商品化するのである。その技術力の高さは他の追随を許さない。そして、芸能人の写真など素材は「生もの」なのである。仕入れたならば、すぐに市場に出さなくてはならない。ファン心理として、今の姿の芸能人グッズと生活を送りたいと願う心に答えるためだ。

　高いデザイン性、そしてスピード。その両者が相まって、数千種類もの商品が生み出されているのである。花田社長は、同社の組織について次のように語った。
　「デザインなどの制作部門が陰で支えてくれているからこそ、事業を続けてくることができました。また、販売で店頭に立つスタッフたちも一所懸命に力を尽くしてくれています。そういった地道な努力が、私たちサンパルランドの力の源なのだと思います。まだまだ至らないところもあると思いますが、真剣に取り組んでくれるスタッフとともに仕事ができることは、幸せなことです」。

＜大都市圏への進出とOEM製品の伸長を狙う＞
　同社が、現在力を入れている点は２つある。１つはOEM商品の充実だ。同社が培ってきたデザイン力を活かし、他社の製品制作をより多く請けていきたい考えである。ボールペンなどの文房具からファンシーグッズまで幅広く制作してきたからこそ、多くの声に応えることができるという。たとえば、企業のイメージキャラクター商品であったり、販売促進グッズであったりといったような商材であれば、顧客の望むデザインを目的に応じてつくり上げることができる。また、同社が持つ提携工場との連携により、スムーズな納品までが約束されている。直売まで一貫してやってきたからこそ得られたユーザーの生の声を活かした商品づくりができるのである。夢のある雑貨を自社でつくりたい企業は、ぜひ一度問い合わせてみてはいかがだろうか。

　もう１つの目標が、東京や大阪など大都市圏での販路拡大である。同社は現在、直営店「Teen's」をキャナルシティ博多B１Fにて営業している。このような直営ショップを、全国の大都市に設置していきたい考えなのである。現在、花田社長は大手デパートやショッピングモールとも商談を進めているという。
　「お客さまからも、地元につくってほしいという声をいただくことがあり、やはり、全国に販売拠点をつくりたいという考えを持つようになりました。より身近な存在になりたいと願っております」（花田社長）。
　また、芸能人のオフィシャルグッズの制作にも意欲的だ。福岡のオンリーワン企業は、これから全国へと羽ばたいていく。

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＜COMPANY　INFORMATION＞
■（有）サンパルランド
代　表：花田　久美子
所在地：福岡県筑紫郡那珂川町西隈3-7-14
設　立：1992年4月
資本金：300万円
ＴＥＬ：092-953-2075
ＵＲＬ：http://www.sunpal-l.jp

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