<遊説カー選挙、街頭が当落のカギ握る>
「誰が良いかを選ぶのではなく、誰をふるい落とすかの選挙だ」との声も聞かれる。前回選挙の「自民VS民主」の構図は、この3年余で色あせた。「第3極」大同団結も、野合批判にさらされている。
過去の衆院選挙を振り返ると、突如の解散劇は初めてではない。1980年の大平正芳内閣での「ハプニング解散」もその1つだ。内閣不信任案の採決で、自民党反主流派が欠席したため可決され、史上初の衆参同日選挙に突入した。大平氏が選挙中に急死したこともあり、自民党が地すべり的勝利をおさめた。
超短期決戦で、勝敗の明暗を何が分けることになるか――。
前出の元選挙参謀は、ズバリ「今度の選挙は、遊説カー選挙だ」と語った。ただし、「国民は忙しい。街頭演説をしても昔のように足が止まらなくなった。国民は忙しいから歩きながら聞く。立ち止まらないが、耳をそばだてている。集まる人がいなくても、遊説カーを止めて街頭演説をやらないといけない。流しているだけでは効果なし」という。
そうはいっても、足を止まらせる政治家もいるだろう。その条件は、わかりやすく、センテンス短く、断定口調、謙虚、ごまかしがなく信用できる。そして、立ち止まらなくてもひるまず、まじめに演説――。これが、当落のカギを握りそうだ。
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<各党の主な主張>
本文で触れた民主党、自民党、日本維新の会以外の各党の主な政策などを見ておこう。
◇国民の生活が第一(小沢一郎代表)は、前回総選挙で民主党が掲げた政権交代の原点に立ち返った政策を実現するために、2012年7月結成された。「原発ゼロ」「消費税増税の廃止」「地域が主役の社会」の3つの緊急課題の実現を訴えている。
◇公明党(山口那津男代表)は、11月17日にマニフェストを発表し、「復興日本、安心の日本」など「7つの日本再建」を掲げている。
◇共産党(志位和夫委員長)は「即時原発ゼロ」「消費税に頼らない道」などを掲げ、「提案し、行動する党」をアピールする。
◇みんなの党(渡辺喜美代表)は、前回09年の衆院解散直後に結成された「第3極」の老舗で、政治理念・基本政策の一致にもとづく「アジェンダ政界再編」を目指してきた。「脱官僚」「生活重視」「地域主権」「脱原発」を掲げる。
◇社民党(福島瑞穂党首)は解散にあたっての声明で「『生活再建―いのちを大切にする政治』の実現に向けて全力で闘う」としている。
◇減税日本(河村たかし代表)は減税を前面に地域政党として発足し、12年10月に国政政党になった。15日に、太陽の党との合流を石原慎太郎氏と合意していたが、太陽の党が日本維新の会との合流を優先させたため、流動的な状況。
◇国民新党(自見庄三郎代表)は、「教育立国」「日本再起動」を目指し、「決められない政治からの脱却」を最優先課題にし、「新たな郵政事業を興す」などの指針を掲げる。
◇新党大地・真民主(鈴木宗男代表)は、「自然との調和」「格差の是正」「公平公正」を基本理念とし、新自由主義との決別を謳っている。
◇みどりの風は、国民新党を離党した亀井亜紀子参院議員ら4人の女性議員が「原発ゼロ」「反TPP」などを掲げて結成した。
◇新党日本(田中康夫代表)は、国民不在な「大増税・TPP・放射能」の迷走に象徴される間違いだらけな大政翼賛政治の刷新を訴えている。
◇新党改革(舛添要一代表)は、「デフレの克服・経済成長」「社会保障の充実」「原発に依存しない社会の構築」などを訴えている。
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