<土下座強要発言。行員の行き過ぎた行動か>
監査法人トーマツ(以下、トーマツ)に対して、契約解除の通知を送った中野氏。合わせてバンクミーティングの開催延期を各行に説明して回っていた。すると西銀の担当者Aが血相を変えて電話をしてきた。
・4月5日夕方 電話にて
担当者A「監査法人トーマツに謝れ!担当弁護士を即解任し、FAXを送る前の状態に戻さない限り、協力しない。」
と怒鳴り散らす。
・翌4月6日の午前中にも再度連絡があり
担当者A「今日の午後、西日本シティ銀行本店に来て下さい」
中野氏は呼び出しを受けた。
・4月6日 西日本シティ銀行本店を中野氏と副社長の2人で訪問
担当者A「何をやったかわかっているのか!ふざけるな!監査法人トーマツに土下座してでもいいから、謝れ。監査法人Aとの関係をもとに戻さない限り、西日本シティ銀行としては、一切協力しない」。
担当者A「そうなれば会社は潰れて、従業員は路頭に迷うことになる。全部あなたの責任だ!」。
などと担当者Aは中野氏を激しく罵った。
さらに担当者Aは
担当者A「自己主張しても通る時と通らない時がある。今、あなたたちが何を言おうと誰も協力しない」
と畳み掛けた。
このとき、中野氏の妻であり、副社長だった富美子氏は、西銀に対し、
「私たちは、西日本シティ銀行さんの奴隷なんですか?」と問いただした。
すると、審査部長Bは、こう答えたという。
審査部長B「あなたたちは、奴隷とまではいわないが、まな板の上のコイのようなものだ。」
中野氏はその後も、一方的にまくし立てられ続けた。そのなかで、どのようにあがいてもメインバンクに逆らうことはできない、という現実を悟ったという。中野氏は、無力感に苛まれつつ、西日本シティ銀行に言われるがまま、トーマツに謝罪して契約解除を撤回するとともに、弁護士を解任した。メインバンクに命じられたゆえの苦渋の決断であった。「当時の私は、精神的には西日本シティ銀行の奴隷に成り下がっていた」と中野氏は、後悔のため息をつく。
同じ頃、専務Cからは、
専務取締役C「私たちは(独自の再建計画として)今後、さかえ屋を60億の売上で20億の債務カット、5億円の収益を上げます」
と告げられたという。それは、あたかも、中野氏に取って代わり、西銀がさかえ屋を支配するという宣言にも聞こえた、という。
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