ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

東日本大震災

復興予算、なぜうまく使えないのか(2)~予算編成プロセスの問題点を分析する
東日本大震災
2012年12月 1日 07:00

<「予算獲得至上主義」>
sora_25.jpg 公共事業関連予算を計上することのできる国交省、農林水産省、文科省、財務省などが、使途を十二分に吟味することなく、「本当に被災地の復興に直結するのか?」「もっと被災者のためになる最善の手はないのか?」などと知恵を絞ることもなく、予算獲得に走った。各省庁の会計課の仕事は、「合法的に予算を獲得する」「合法的に予算を使い切る」ことであるので、"省益"のみを考えれば、実にいい仕事をしている。しかし、日本経済再生のカギを握り、国家の未来を決める復興予算。その仕事は、国民の信頼を裏切った。

 霞が関に横行する「予算獲得至上主義」的なところが大きな問題点として露呈したが、そもそも、この復興予算を特別会計として組んだのが間違いだったのではないか。特に今回の復興予算だけは、柔軟な発想のもとに、真に被災地の要望に応え、日本再生のために「最適」に使われるべきだった。省庁の縦割りの構造的な問題だけでなく、予算の組み方のプロセスにも大いに改善点はある。

<予算への責任>
 使った予算がコストに見合うだけの効果を上げたのか。これは、復興予算に限ったことではなく、国民の財布にかけた負担が、予算の分の効果を上げたのかという事後チェックは必要である。しかし、これまで日本は、「予算を獲得し、使い切る」ことだけに力を注ぎ、「予算をいかに効果的に使うか」ということにあまり目を向けてこなかった。「いかにうまく効率的・効果的にお金を使ったかを事後チェックし、評価する能力」「予算編成のプロセス段階で精査する能力」「財政全体を見て、予算を最適に執行する責任能力」を磨いてこなかった。

 そのつけが、国の借金が膨れ上がっている原因でもあり、非常時の「もっとも効果的に使わなければならない復興予算」を、あらぬところに使ってしまう根本原因にもなってしまった。予算編成過程での透明性を上げることと、本当に効果的に使っているのかをチェックする機能を磨くことが必要だ。

(つづく)
【岩下 昌弘】

≪ (1) | (3) ≫


※記事へのご意見はこちら

東日本大震災一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル