<市場から選挙まで360度の『風』を読む>
「ビジネスシーンが激変するなかでは、360度の風を読まないといけない」(勘崎氏)という同社は、『風』を読むスピードも重視する。その真骨頂が、坂本氏がアメリカでモデルを見つけ、それを改良した自動テレコールによるマーケティングシステムだ。
坂本氏が開発したシステムは、100本同時発信でき、1日最大1万件のテレリサーチが可能だ。人が行なう場合、1人あたり1時間15件(1件平均4分)とすれば8時間で120件。同システムによって大幅な時間短縮が期待できることは言うまでもない。さらに費用も大幅にカットすることができる。同システムは1回のリサーチの費用が50万円前後(500件の完全回答サンプルを保証)。リサーチにおけるイノベーションと言っても過言ではない。
本来、企業のマーケティングを目的として開発された新システムだが、その時間と費用のコストパフォーマンスの高さから、意外なところから引き合いが来た。それは、政治関係者である。
一般に新聞・テレビなどのメディアが行なっている世論調査は、政党などが個別にリサーチ会社へ依頼した場合、費用は数千万円が相場と言われている。この場合、調査員による個別訪問のアンケートなども含まれているが、そのため、結果が出るまでに時間がかかる。一方、同社が選挙対策用に開発した自動テレコールシステム『票トリ君』は、圧倒的に費用が安いだけではなく、1日単位で支持率の結果が出るスピードを誇っている。
さらに、リサーチ結果の信頼性を高めるため、勘崎氏の心理カウンセリング・スキルを活かしている。回答率を高めるための質問作成や結果分析などで勘崎氏が『軍師』としてサポート。したがって、リアルタイムの『見える化』によって、たとえば、立候補者が自分の知名度が低いエリアを毎日掌握し、より効率良く回るなど直ちに反映させることが可能。さらに、そこに「コアバリュー」を活かしたキャッチコピーや演説内容などで、一段と効果的な選挙活動を行なうことができる。
価格破壊とスピード革命をもたらす同社の自動テレコールや業務改革を起こすERPシステムは、中小企業にさまざまな革命をもたらすだろう。設立に際して掲げられた「10年で売上10億円以上の企業を100社つくる」という同社の目標も、手がけたシステムへの確固たる自信が根拠となっている。
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<COMPANY INFORMATION>
■(株)ビジネスマトリクス
代 表:勘崎 和也
所在地:福岡市中央区清川2-20-4-402
設 立:2012年7月
TEL:092-400-7030
URL:http://businessmatrix.co.jp/
<代表者 Profile>
勘崎 和也(かんざき・かずや)
1958年大阪生まれ。明治大学法学部卒業後、大和証券に入社。イギリス系ファンド会社を経て健康食品販売会社社長に就任。06年、(株)ヒューマンアシスト社を設立。12年7月に(株)オルトクオと業務提携し、(株)ビジネスマトリクスを設立。日本産業協会公認の産業カウンセラー。「後継者の軍師」の認定コンサルタント。米国NLP協会公認マスタープラクショナー。
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