NET-IBでは、ツイッターを活用している橋下市長のツイートをまとめて紹介する。
橋下大阪市長の30日午後4時36分から5時34分までのツイートは以下の通り。
橋下 徹市長の登退庁時の取材映像 - YouTube
11月29日日本維新の会 骨太についての補足。また本日30日は、具体像を示せと言うメディアの意見についての反論。具体的工程表作りは行政官僚の仕事。政治家は、どの方向性で具体的工程表を作るのかを行政に指示し、複数案から一案を選択するのが仕事。
29日読売新聞夕刊1面、地方共有税と地方交付税が同じと解説。とんでもない。本質を何も理解していない。これまでの財政調整の哲学を変えるのが地方共有税。地方交付税は自治体の赤字補てん。地方共有税は客観的基準に基づいて配分。赤字補てんは、努力してもしなくても同じ。今の地方交付税は、努力しなくても赤字を補てんされるし、努力したら補てん額が減らされる。これを地方共有税に替えると努力した分はその自治体の財源になる。そしてそもそも地方交付税は、国がいくらの額を地方に渡すかは、国が決定する。地方共有税は地方が税率を決める。根本的な哲学が異なる制度。
TPPについては、どの新聞も維新の会は後退したと評価。その理由は、国益に反する場合には参加反対としたからだと。ちょっと待ってほしい。どれだけのTPP推進論者でも、国益に反する場合に反対する。これは当たり前だ。TPPが国益に適うルールだからこそ参加するのだ。
交渉参加して、ルールを作る。もちろん、個別分野で見ればマイナスのところはあるだろう。しかし全体としてプラスになるからルールに参加するのだし、そのようなルールを作るために交渉参加する。貿易ルールなので、加盟国全体の利益にならなければならない。個別分野で見るのではなく全体で判断する。
TPPに交渉参加し、ただし国益に反する場合には反対と言うのは当たり前のことを確認しただけ。では何が国益に反するのか、これは国会で承認する際に議論したら良い。最後は多数決。ある分野ではマイナスになっても他の分野でプラスになり全体にプラスになるなら参加だ。これは多数決で決めるしかない。
TPP交渉参加、国益に反する場合はTPP参加反対。これはTPPについて後退でも何でもなく当然の確認。TPP交渉参加国も、国益に反してまでTPP参加を認める国などない。国益に反する貿易ルールに参加するなんて、そんなのただのバカ。TPPの交渉にまず参加して、国益に適うルールになるよう徹底交渉する。そして国益に適うならTPPに参加。当たり前のこと。
もしかしてTPP推進を唱える新聞や有識者は、国益に反するルールでもTPPに参加せよということか?これは単なるバカ国家でしょ。あり得ない。
これは国会が多数決で決めるべきもの。何が国益なのか実質的な定義はできない。それほど複雑な利害関係が絡みます。そういうときにこそ多数決。
メディアの具体像を示せ!という論について。もうそろそろ、政治家と行政官僚の役割分担を理解した方が良い。大阪都構想のときに散々教えたはずだが、新聞のお偉いさんは、自分たちのこれまでの間違いを認めたくないんだろう。新聞社は、未だに原発0の工程表や社会保障の具体像を示せと言っている。
具体的工程表などは、政治家には絶対に作れない。これは官僚組織が作るもの。参加させる専門家は政治家が決めれば良いが、具体的な工程表や制度設計は官僚組織にしか作れない。政治家は、どのような方向性の具体案を作るのかを官僚組織に命じる役割。一つのちょっと政策でも、その実現工程表は膨大な資料となる。ましてや国のエネルギー政策の工程表となれば、とんでもない量の資料となる。これを政治家グループが作るのは不可能だ。大阪都構想のときも、区割りを示せ!財政調整制度を示せ!としきりにメディアは批判した。
しかしそのようなものは行政組織にしか作れない。だから統一地方選挙、ダブル選挙を踏まえて、一定の政治勢力を形成し、行政組織に具体的工程表を作る指示を出せるようにした。政治的対立がある課題について行政組織に指示を出すには、一定の政治勢力を形成する必要がある。これが政治・行政の世界だ。
原発についても、行政官僚にしか具体的工程表は作れない。政治家は、行政官僚にどの方向性の指示を出すかだ。これが選挙での選択の対象になる。原発を推進していくのか、新しいエネルギー供給体制を構築していくのか。官僚組織にはこの方向性を示せば、具体案を複数作る。原発に代わる新しいエネルギー供給体制を構築せよと指示を出せば、10年後に原発を0にする、20年後に0にする、30年後に0にする、40年後に0にする、などなど色々案を作ってくるだろう。そして政治家が議論をしてどれを選択するかを決めるのだ。今の段階では年限なんて入れれないはずだ。
僕は一流の専門家が集まる府市エネルギー戦略会議に対して、大阪市長と言う立場で、2030年代に原発0にする案を作って欲しいと指示を出した。しかしこれは簡単にできるものではない。今の段階では、まだ具体的案ができていない。そりゃそうだ。日本政府でも具体案はできてない。
民主党は責任のない議員集団になると2030年代0と言っているらしい。完全な選挙用。だって民主党は政権政党なんだから、やろうと思えば、閣議決定で2030年代0と決めれば良い。しかし責任ある日本政府の立場では決定できなかった。様々な課題がまだ整理できていないからだ。僕も府市エネルギー戦略会議に2030年代0の案作成を指示し、それが実行可能なものであれば、それを大阪市の方針として決定する。今は具体案を待っている状態だ。
飯田哲也さんが、嘉田知事と組んで、10年後に0にすると言い切った。物凄く心配だ。まず飯田哲也さんは、10年後0の具体的プランを持っていない。飯田さんは粗い粗筋を作っていたが、とてもではないが行政の計画にはなり得ない、絵コンテのようなものだ。府市エネルギー戦略会議には一流のメンバーがそろっているが、飯田さんの案に全員賛成ではなく、反対者もいる。飯田さんの案は、まだ飯田さんの個人的な意見・アイデアに過ぎず、しかもそれはまだ絵コンテのような状況だ。当然行政的に議論を揉んだものでもない。行政的に揉むとは、アイデアについて課題は何か、論点は何かを整理し、徹底議論することである。
飯田哲也さんは、原発政策が外交政策にもリンクしていることの認識は全くないし、そのような話は聞いたことがなかった。僕は府市エネルギー戦略会議で議論が熟してきても、行政的に課題を整理し、関係各局に検討させるつもりだ。これが行政マネジメント。
飯田哲也さんのアイデアが個人のアイデアレベルであることは嘉田知事もご存知なはず。知事を務めているのだから行政的な検討が必要なこともご存知なはず。にもかかわらず、義務教育は9年だから、卒原発は9年でやると言う。そして朝日も毎日も反原発絶対主義なので、この点には何も触れない。日本未来の党が、どんなプロセスで9年で原発0にするのかが重要で、それがないのに9年で卒原発と言い切り、それが選挙の対象になるなら3年前の政権交代選挙の反省がまるで活かされてない。9年卒原発の具体的プランが行政的に実行可能なら、それは僕も賛成だ。その検証は??
核燃料サイクルも止めると言う。今日本が保有しているプルトニウムはどうするのか?大間はプルトニウムを燃やして処理するために必要と言うのが民主党の考え。これは大変難しい難題だ。だから行政官僚の知恵を借りて専門家で議論してもらわなければならない。9年で解決できるのか?
結党のときには、10年後に原発0。その後一日で、義務教育は9年だから、9年で卒原発。これが政治的な決定プロセスか。もっと具体的に嘉田知事と議論がしたい。どのような工程プランなのか。それが具体的で合理的であれば、僕もそれに乗っかる。しかしそうとは思えない。
普天間の県外移設、八場ダムの中止......政治家が言いっ放しでは何も実現できないことは3年前に十分国民は体験したはずだ。実行するには行政官僚に工程表を作らせる。これが政治行政のマネジメント。知事・市長をやれば分かる。本日の朝日の社説でも社会保障の具体像を示せと言われた。しかし政党交付金を300億円以上もらっている民主・自民・公明党でもこれから国民会議で制度を議論すると言う状態。先に5%の消費税増税をやったが、社会保障の制度は何も決まっていない。このような状況で日本維新の会が社会保障の具体像を示せるわけがない。
ただ方向性はきっちりと示した。5%の消費税増税ではとてもではないが社会保障はもたない。負担の見直し、給付水準の見直し、そして年金の支給開始年齢の見直しにまで踏み込んだ。これを言っているのは維新の会だけ。この方向で制度設計して欲しいと官僚組織に言えば十分。負担は増やさない、給付は今以上、こんな方針で制度を作れと言っても官僚組織は作れない。最低保障年金も後期高齢者医療制度に代わる制度も、民主党政権は挑戦したけど失敗した。官僚組織でも作れなかった。それを政党が初めから作れるわけがない。制度設計の方向性を示すのが政治だ。
読売新聞は、消費税の地方税化がよほど気に食わないのか、言いがかりの難癖ばかりを付けてくる。消費税を地方税化したら、どこから社会保障の財源を持ってくるのかと。だから維新の会は主張しているではないか。負担と給付水準の見直しで社会保障を根本から立て直そうと。消費税5%増では全く足りない。
政治がよくならないのはメディアの責任でもある。政治を鍛えるのはメディアだ。政治を鍛えるだけのメディアの質にならなければならない。具体的工程表を作るのは官僚組織。どの方向で工程表を作るのかを指示するのが政治家。まずはこの区別の認識からスタートせよ。方向性を問うのが選挙だ。
Twitter:橋下徹 (t_ishin) より引用(原文ママ)
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