<事業多角化のワケ、地域発展とともに歩む>
創業時の土木分野から事業の多角化を進めてきたのは、先を読む経営から環境に順応してきたことに尽きる。これまで同社は、海外への進出や建材の輸入販売などを地場では率先して行ない、福岡のベッドタウンとして発展してきた糸島地区とともに歩んできた。しかし、主力の土木工事が公共工事の削減から大きく落ち込んでしまった。そこで取り組んだのが、建築分野である。主力となった戸建建築以外に九州大学の伊都キャンパス関連の工事も多数手がけるほか、不動産事業部による戸建用地の提案など、お客さまのニーズにいかにして応えていくか、研究を欠かさず行なってきた。
グループで運営するスポーツクラブや老人ホームなども、お客さまのニーズに応えてきた証であろう。戸建住宅の購買層以外の幼児や高齢者を対象としたこのビジネスも、お客さま満足という点でつながっている。単に住宅施工会社としてではなく、1人のお客さま、そしてその家庭を対象にした総合的なサービスを行なっているからこそ、商号変更の狙いである「購買層の子どもまでターゲットにする」という思考が生まれた。老人ホームについては12年末、そして13年にも新設を予定しており、さらなるお客さまのニーズに応えていく姿勢だ。
多岐にわたる同社グループの事業だが、意図的な拡大をする考えはない。あくまで、誠心誠意お客さまの要望に寄り添っていけるかである。同社は、糸島地区で強固な基盤を築いているが、まだまだ同地区内でシェアは伸ばしていけると確信している。現在の活動エリア内で、より近い立場で事業を展開する。グループ内の多岐にわたる事業を互いに活用することで、お客さまとの関係性を深めている。
糸島地区は、市町村の統廃合などによるインフラ整備などが求められ、同社グループもその一翼を担ってきた。また、近年は自然や観光、良質の食材などに代表とされるブランド化が進み、再注目されている地区でもある。同社においても、自然豊かな糸島ならではと言える家庭用燃料電池や太陽光発電などを利用した環境住宅「スマートハウス」を市内にオープンさせるなど、新たな動きを見せている。糸島の変革とともに歩んできた同社グループが、糸島の発展にどう寄与していくのか。そして、その地の変化し続けるお客さまのニーズにどのように対応していくのか。今後、糸島地区を語るにおいて、事業領域を広げながら変貌を続ける同社グループの存在感は、欠かすことのできないものとなるだろう。
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建設業に限らず、多彩な事業を手がけることにより、地域発展に貢献。徹底したお客さま目線による展開が、多くの特命受注につながっている。
<COMPANY INFORMATION>
■(株)へいせい
代 表:西原 幸作
所在地:福岡県糸島市前原西5-1-31
設 立:1970年1月
資本金:1億円
TEL:092-324-1111
URL:http://www.heisei-g.co.jp
<代表者 Profile>
西原 幸作(にしはら・こうさく)
1948年9月生まれ。71年4月、同社入社後、73年8月、取締役に就任。92年10月に代表取締役に就任(現任)。
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