日本製品の不買運動も最近では影を潜めてきたが、今秋の反日デモ真っただなかの時期でさえも、爆発的に売れていた商品がヤクルトである。
ヤクルトは言わずと知れた日本生まれの乳酸飲料だが、香港では、美容商品として薬局の店頭などに山積みされている光景を目にする。香港のマスコミによると、今年の夏頃にはヤクルト買い占め騒動が起きて、正規品は品薄状態になったという。香港では5本セットで、日本円にして約85円という香港版ヤクルト(ちなみに、日本では175円)だが、中国本土に行くと、130円程度にまで値が上がるという。
タオバオなどの大手オークションサイトでは、正規商品の転売が盛んで、130円程度でかなりの数が出品されている。香港では、こうした転売サイトで売るために、インターネットユーザーがヤクルトの買い占めをするのだという。
ちなみに、タオバオに掲載されているヤクルトの説明には、顔に塗ると美白効果、ニキビ予防、角質除去などに効果がある、ヤクルトにパパイヤを浸して食べるとガンの予防に効果がある、4本飲むと豊胸効果があるなど、びっくりするような効果効能が書かれている。このようなサイトからのデマに近い情報が中国本土に広がり、ヤクルトが大ブレークしているようだ。
上海サーチナのデータよると、中国人の「日本観光で買っていく人気商品ランキング」では、1位の家電製品に続き、上位には健康食品、化粧品が入っている。このような状態が続けば、日本を訪れる中国人が日本製のヤクルトに群がる光景が、もしかしたら見られるかもしれない。
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