42都道府県の4,923人が国と九州電力を相手取って玄海原子力発電所の操業停止を求めた「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が12月7日、佐賀地裁で開かれた。
「世界の中心で、愛をさけぶ」などの著書がある作家の片山恭一氏が原告として意見陳述した。片山氏は、福島原発事故後、「自分でもなにかしたい」と、昨年5月佐賀市で開かれた「さよなら原発集会」に参加して、偶然この訴訟を知って、誰かに勧められるわけでもなく原告に加わった。
片山氏は意見陳述で、「学生のころから核エネルギーに心情的な嫌悪と反発を感じていたが、福島の事故が起きるまではほとんど無関心であった」と述べ、「私たちは歴史上初めて、未来の者から憎まれ、さげすまれる先祖になったのかもしれない」と指摘した。「文学とは本来、人間の可能性を探るもの。核エネルギーとともにあることで、私たちは人間の可能性を探ることができなくなる」と述べた。「なぜなら核廃棄物という自分たちに解決できないものを押し付けるというかたちで、数万年先の人間の自由を奪ってしまているからだ」とした。「核エネルギーの問題を放置して小説を書き続けることは、自らの文学の否定してしまいかねない」と強調し、原子力発電からの速やかな離脱を訴えた。
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