日本維新の会の橋下徹代表代行は12月10日夕方、北九州市・小倉駅前で街頭演説し、同党公認の荒木学候補(福岡9区)、堀大助候補(福岡11区)、同党推薦・みんなの党公認の佐藤正夫候補とそろって宣伝車の上に立ち、「残念ながら維新の会は九州では惨敗、自民党が圧勝。3名をどうか押し上げてください」と訴えた。聴衆2,500人が集まり、冬本番の寒さに加え、橋下氏の到着が約20分遅れたにもかかわらず、熱心に耳を傾けた。
橋下氏は「3年前、自民党が嫌で民主党に政権を委ねた。また自民党に戻すんですか。その行き着く先は、公共事業拡大、もう一度道路をつくっていく、そして業界団体配慮だ」と、自民党を批判。「日本を立ち直らせ成長させる大きな分かれ道だ。公共事業拡大の自民党に戻すのか、僕ら改革改革、競争力をつけよう、現役世代がんばれ、もっと子どもたちに教育予算を、の方向をめざすのか。最後はみなさんの選択だ」とよびかけた。
また、「僕がしゃべればしゃべるほど票がなくなるみたいですが」と笑いを誘い、「大阪では最後、組織のないなか僕に圧倒的な票を与えてくれたので改革ができている」と述べ、自民党を上回る運動をしなければ勝てないと激を飛ばした。
橋下氏は「原発の議論にかき消されて、そのほかの公約の重要な議論がかき消されている」として、「僕らは、日本の競争力を高めていく。第一に教育改革だ。国際社会で通用するような人材を育てるために英語教育に年1兆円かければ、英語がしゃべれるようになる」と訴えた。
そのうえで「医療介護年金で年100兆円。日本の税金が全部、医療介護年金にとられている。だから子どもたちに年1兆円の英語教育予算すら渡せない。日本の教育予算も、子どもを持つお父さんお母さんを支援する予算も、先進国で最低レベルだ」と指摘し、「日本を成長させるための簡単な方策はない。公共事業をやったからといって絶対に成長しない。何が必要か。教育への投資と、現役世代への投資をしないと、日本は成長しない。現役世代が活力を取り戻すことによって地域の活力が取り戻され、国の活力が取り戻される」と力を込めた。
街頭で演説を聞いた北九州市小倉南区の主婦(56)は「公共事業は必要だけど、人を育てないといけない。子どもの教育に予算を使ってほしい。自民党に戻ることは(私の選択には)あり得ない」と感想を話した。
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