選挙戦も残すところ4日となった12日、福岡に各党の代表や幹部などが集中し、街頭演説を行なった。最高気温9度、最低気温3度とされた寒空の下、各演説場所には支持者や関心のある人々が集った。連日マスコミで「自民党優勢」が報じられるなか、それぞれの立場から聴衆に対して支持の拡大が呼びかけられた。
同日午前中、西鉄大橋駅前で福岡2区の民主党・前職候補者への支持を訴えたのは、同党の細野豪志政調会長。同日朝、北朝鮮がミサイルを発射したことへの対応でスケジュール変更が懸念されるなか、マイクを握った細野氏。その声は連日の演説で枯れたという。「(北朝鮮の関係諸国へ)厳しい決意を求めていかなければならない」とし、候補者を「もともとは安全保障分野の専門家。こういう時にしっかりと頑張ってもらいたい」と持ち上げた。
「民主党はたしかに未熟な面があった。実現できなかったこともあった。しかし、やろうとしたこと、方向性は間違っていない」とする細野氏。続いて「自民党は『強い国』を作ろうと言っている。しかし、強い国のなかで社会はどんどん弱ってしまった」とし、年金、医療、子育て重視による『強い社会』が折り重なって初めて国を強くする、と語った。
また、細野氏は、天下りあっせんの撲滅、特別会計の解体への取り組みを強調。「政権交代がなければ実現できなかった」としたが、一方で「甘かった。仕組みを変えれば解決すると考えていたが、(天下りは)こっそりと行なわれていた」「特別会計をなくして一般会計にしても、個別ムダをなくしていかなければならない」などとし、「官僚ではなく政治家がやらなければならない」と、同党政権運営の継続への理解を求めた。
最後に、細野氏は、「鳩山さんは引退、菅さんはそろそろ一線から退かれます」として、第2世代とする野田佳彦総理、前原誠司国家戦略担当相だけでなく、「次の世代が動かす時代が来た」と、同じく40代の候補者とともに若さをアピールした。
演説が終わると、細野氏や候補者のもとへ聴衆が駆け寄り、握手を求め、激励の言葉を送っていた。民主党へ厳しい逆風が吹くなか、残った支持者の想いは強い。
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