12月4日の公示後から、各マスコミが何度も実施して報じている衆院選の世論調査。そのすべてが「自民優勢」としており、選挙戦にも少なからず与えている。「劣勢」とされる陣営からは「世論誘導」との非難の声があがる一方、「優勢」と伝えられる自民党だが、困惑気味のところも。とくに公示直前に小選挙区候補としての公認が決定した新人候補の陣営は「(候補は)まだ選挙区内での知名度が低く、自民党と候補の名前が結びついていない。作られた楽勝ムードで支援者の気が緩みはしないか、とても心配だ」と、危機感さえ抱いている。
一方、選挙戦序盤に「劣勢」とされた民主党候補の陣営は、報道を逆手にとった。支持拡大の協力を支援者に呼びかけ、支援者側も結束し、熱心に活動を始めているようである。逆風にさらされる民主党を支持している有権者からは「たしかに民主党政権は失点が多かったが、さほど変化を感じない自民党へ政権を戻すのも不安。国政の経験がない政党や突然出てきた新党に任せることの不安も大きい」(50代男性)との声が聞かれた。自民党の勝ち過ぎを懸念する無党派層が他党へ流れる可能性は低くはない。
最新の世論調査では、まだ投票先を決めていない有権者の割合は3割~5割とされており、各陣営、まだ予断を許さない緊迫した雰囲気のなかで選挙運動を行なっている。投開票は16日。各有権者には、実感のない雰囲気に流されず、自分の考えをもって投票を行なっていただきたい。
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