<エネルギー政策、焦点の山口1区>
10年後の「卒原発」を掲げる日本未来の党の飯田哲也代表代行は、選挙戦最終日の15日、小選挙区制で立候補した山口1区を駆け回った。
山口1区は、自民党副総裁の高村正彦氏(70)が過去5期連続で当選している強固な地盤(高村氏は、旧山口2区も含め10期連続当選)。
ほかに、民主党の冨村郷司氏(29)、共産党の魚永智行氏(53)の計4人が立候補している。今後のエネルギー政策を占ううえでも注目の選挙区となる。
3・11以降、エネルギー政策改革のキーマンとなった飯田氏は、終始、にこやかな表情で選挙区を回った。飯田氏は、「ようやく風は吹いてきた。少し(政党を立ち上げ、立候補を表明してからの)時間が短かったか...。結果はどうであれ、継続的に卒原発、エネルギー革命を訴えていきたい」と話した。
最終日の15日は、山口県周南市は、あいにくの雨。JR徳山駅、新南陽駅周辺など選挙区をくまなく回り、故郷である山口を走った。
JR徳山駅前で、選挙戦12日間のマイク納め。「ここ山口を豊かな地域社会にする。希望の地にするという誓いを忘れていない。必ず、ここから。日本が変わります。エネルギー革命を成し遂げるために後押しをお願いします」と、集まった有権者たちに最後の支持を訴えた。
<自民党・高村氏が優勢だが...>
自民党副総裁の高村氏が優勢と見られているが、最終日を迎えても飯田陣営に暗さはなかった。県知事選以降に着々と築いてきた政治団体「みらい山口ネットワーク」のつながりを軸に、女性、若者を中心に支持を集めている。
県知事選の時から応援しているという周南市の50代女性は、「飯田さんは、とても気さくな感じがして、好感が持てる。新しさのある政策にも期待したい。応援します」と、飯田氏とがっちりと握手を交わした。山口市在住の60代女性は、「県知事選に出て知名度は上がってきたと思う。でも、山口1区はずっと、高村さんの地盤。徳山の出身ではあるけど、高村さんがずっと勝ってきたところでは厳しいのではないか」と話す。
自民党の強い保守王国・山口。高村氏は、実績でもリード。選挙区の県民からは「飯田さんには期待したいものの、新しくできた党よりも自民党の方が、安心感がある」「牙城は崩せないのでは」といった意見が多く、自民の強固な壁を破れるのか、どうか。
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