民主党に逆風が吹き荒れるなか、福岡5区は現職の民主党・楠田大蔵氏と自民党の元職・原田義昭氏が競り合った。選挙事務所には民主党副代表より送られた「当落線上死力を尽くせ」の書が掲げられていたが、その言葉通り、厳しい戦いが続いていた。
楠田氏は前日(15日)、雨風吹きすさぶなか、各地で演説を行なった。死力を尽くした。選挙事務所にはテレビ局、地元新聞社らが集まり、注目の高さがうかがえたが、事務所内には夜8時には出口調査で福岡の大半の選挙区で当確が出るとの情報が入り、緊張感に包まれていた。
午後8時過ぎ、自民・原田義昭氏の当選確実の一報を受けると事務所内は慌ただしくなる。午後8時15分頃、楠田大蔵氏が事務所入り。第一声は「一から出直し。全ては私の力不足でした」と敗戦の弁を述べた。今回の選挙戦については、「非常にわかりにくい選挙。逆風ではありましたが、過去の件(選挙)が全然活かされませんでした。しかしながら、民主党内でも逆風にありながら、結果(当選)を出された方もいる訳で、そういう意味でも私の力不足でした。4年間支えて下さった方に大変申し訳ありません。もう一度、お役に立てることができるよう頑張ります」などと語った。支援者らからは「まだまだ37歳と若い。未来がある。次頑張れよ!」などと激励を受けていた。
楠田大蔵氏を支援する68歳の無職の男性は今回の選挙について、「楠田君をだいぶ前から支援してきたが、非常にまじめすぎる位、まじめ。まだ若すぎて成熟した政治家ではない。これからも地域の若い政治家を育てるため、楠田君を応援していきたいと思います」と今後への期待を口にした。
【2012衆院選・福岡5区 開票結果】
民主党・前職 楠田 大蔵 氏(37) 5万6,940票
自民党・元職 原田 義昭 氏(68) 11万3,155票 当選
日本未来の党・新人 浜武 振一 氏(47) 1万1,213票
共産党・新人 田中 陽二 氏(56) 1万1,068票
日本維新の党・新人 吉田 俊之 氏(56) 4万6,416票
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