16日に投開票された第46回衆院選において、福岡3区(福岡市早良区、西区、糸島市)自民党新人・古賀篤氏(40)が57,472票(24.9%)を獲得し当選。民主党・藤田一枝氏(63)は42,126票(18.2%)と古賀氏に及ばず、落選となった。
福岡市早良区飯倉にある藤田一枝氏の福岡選挙事務所には、19時から支援者が集まり始め、20時には約30名が集まった。が、即時に古賀篤氏の当選確実速報が走り、動揺の声が。続いて福岡県の6区を除く10カ所の選挙区で自民が当確となった速報が流れると、そこかしこから落胆のため息が漏れた。
まもなく選挙管理事務所側から、「今日はもう、ここで解散とする。スタートから逆風、それも並大抵の逆風ではなかった、支援者の皆様、後援事務所の皆様、皆力をあわせ大車輪となってがんばってきたが、結果はこのとおりだった。深くお詫びを申し上げたい」と告知があったが、その後に挨拶を行なった藤田一枝氏は、支援者への感謝の念を伝えながら、「多くの皆さんに激励を受けたにも関わらず結果を出すことができず、申し訳ない。今回の結果は大変くやしい残念な結果だったがこれもある意味、民意であることに変わりはない。これからこの民意の流れがどうなっていくのか見極めたいと思う。これから民主党もきちっと立て直しをして自民党に対抗できる政党として成長していきたい。そのためのご支援をお願いしたい」と力強く挨拶。皆に安心感を与えた。
しかし、TVに全国区で民主党が惨敗している様子が続々と上がると、さすがに言葉を失い、動揺を隠し切れなかった。
その後、藤田氏は糸島事務所に向かい、福岡事務所は候補者不在となったが、支持者はしばらく皆でTVで公開される開票状況を見守り続けた。他選挙区で民主党の候補者が当選確実になったと発表されるたびに拍手が起こる。しかし、その当選者数は少ない。
夫婦で事務所を訪れた男性(60代)は、自民党圧勝の様子に「皆さん、こんなに急激に(支持政党を)変えられるものなんですかねえ」と、なかば呆れた表情で呟いた。
また短い選挙活動中、街頭活動などにも積極的に参加し支援したという40代男性は、「第18富士山丸事件を解決した藤田さんに深く感銘した。あの時から、ずっと支援している。状況がどう変わろうが、この気持ちは変わらない」と、ぶれない支援姿勢を語った。
【2012衆院選・福岡3区 開票結果】
・共産党・新人 川原 康裕 氏(31) 1万3,093票
・民主党・前職 藤田 一枝 氏(63) 5万7,472票
・みんなの党・新人 寺島 浩幸 氏(51) 4万2,126票
・自民党・新人 古賀 篤 氏(40) 11万8,299票 当選
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