「早すぎる」。午後8時、衆院選投票締切直後の当確発表にみんなの党・新人の寺島浩幸氏(50)の事務所内は愕然とした。昨年4月に福岡市議会議員(西区)に初当選し、今年2月に国政挑戦を表明。市議の任期を残して今回の衆院選に立候補し、渡辺喜美代表の応援も受けて福岡3区で果敢に選挙戦を展開した。
みんなの党は、渡辺代表以下、政策中心でブレない姿勢を打ち出し、支持を訴えた。結果、みんなの党は今回の選挙において18議席獲得と選挙前の8議席から躍進した。しかし、寺島氏は力およばす落選。「政策が浸透せず力不足でした」と、陣営幹部が口重く語った。
寺島氏は、敗因の1つに「無党派層の無投票がある。田舎のほうでは自民党支持者のみ投票に行ったと聞く」と分析。市議選当選から約1年8カ月での国政進出が、いささか早過ぎると見られたかもしれない。
自民党が政権を握ったことに、寺島氏は「これで、原発の再稼動推進、増税へ向かうことは間違いない」とポツリ。ブレずに主張を行なってきたが有権者に届かなかった。
【2012衆院選・福岡3区 開票結果】
・共産党・新人 川原 康裕 氏(31) 1万3,093票
・民主党・前職 藤田 一枝 氏(63) 5万7,472票
・みんなの党・新人 寺島 浩幸 氏(51) 4万2,126票
・自民党・新人 古賀 篤 氏(40) 11万8,299票 当選
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