投票が締め切られた午後8時、直後に「当選確実」との報道を受けて、自民党・新人の古賀篤氏(40)の選挙事務所には歓喜の声が上がった。事務所内には古賀氏を支持する人々が溢れんばかりに集結しており、自民党が議席を失なった2009年の衆院選から今までのうっぷんを晴らすように喜びをわかち合っていた。
古賀氏は、太田誠一元農林水産省の引退にともなう自民党福岡3区支部長の公募で選ばれた。まったくの新人であることから絶対的な知名度不足は否めなかったが、自民党への追い風に加えて、地元・地方議員の協力も得て11万8,299票を獲得。伸び悩んだ民主党・前職の藤田一枝氏(63)5万7,472票にダブルスコアでの圧勝だった。
1997年に大蔵省入省後、財務省や経産省、金融庁などに出向した経験を持つ。公募によって太田氏の後継者として、また、長期的に政界で活躍することを期待されている。古賀氏は「社会保障の見直し」「少子化対策」などに取り組みつつ、専門である経済分野では「短期的には金融緩和の実施」「長期的には景気対策の構造的な見直し」を行ないながら、じっくりと景気回復に取り組んでいきたいと語る。
支持者たちは、「昔からよく知っていたから人で、何事にも一生懸命やります。政治のことはこれから勉強していただいて、皆様の役に立つ人になってもらいたいです」「安住できる官僚の座を蹴ってまで、政治を変えていこうと気概のある人が政治家を目指してあったので期待しています」「ただ政治をやりたいだけでなく、(官僚の)経験を生かして経済の建て直しのために汗をかいてくれると信じています」と、古賀氏への期待を語った。
【2012衆院選・福岡3区 開票結果】
・共産党・新人 川原 康裕 氏(31) 1万3,093票
・民主党・前職 藤田 一枝 氏(63) 5万7,472票
・みんなの党・新人 寺島 浩幸 氏(51) 4万2,126票
・自民党・新人 古賀 篤 氏(40) 11万8,299票 当選
※記事へのご意見はこちら