メガソーラー発電所を展開する芝浦グループホ-ルディングス(株)(本社:北九州市)は12月22日、メガソーラー発電所に投資する個人・法人に売電利益を還元するファンドのセミナーを福岡市内で開いた。同ファンドは、メガソーラー事業運営会社が独自に金融取引業者となって販売する日本初のメガソーラーファンド。今回募集するのは、「芝浦ソーラーエネルギーファンド1」で、出資対象は、熊本県球磨郡錦町に建設中の「錦発電所」(2.2MW)。
セミナーでは、芝浦HDの新地哲己会長兼CEOが、芝浦HDのメガソーラービジネスの特徴を「地産地消、現地でつくったものを私たちが販売する。今回のファンドも、証券会社を入れず、自社で証券化して販売し、売電利益を還元するものだ」と述べた。
申し込み単位は、1口500万円。募集口数は総計150口。出資金(元本)は20年間均等返還。売電利益の配当に上限はなく、必要経費などを差し引いて、出資者に全額還元する。現在年間配当利回りは5%以上を予想している。説明会では、日照条件などにより発電量が予定を下回った場合も含めて、売電利益や配当利回り予想など詳細な数字をオープンにした。
芝浦HDはメガソーラーエネルギーファンドに先立ち、全国初の分譲型メガソーラー(みやま合同発電所、23MW。総事業費70億円)を販売し(1区画3億4,000万円と6億7,000万円)、完売した。「しかし、この金額では、購入できる投資家は東京や大阪、九州でも大投資家に限られる。それでは、九州、福岡の地元企業に還元できない。メガソーラー発電所の建築に携わった工事会社から『工事代金しか儲からない。自分たちも売電して儲けたい』との声も聞き、ならば利益を還元しよう」と、1口500万の小口証券化を思い立った。営業者報酬は、1.5%と極力低く設定している。
新地会長は、「土地の取得・発電モジュールなど周辺機器の仕入れ、企画・設計・建設・運営・保守検査・メンテナンスまですべて行なう一貫体制だからできる」と強調した。
2012年7月1日、固定価格買取制度がスタートしており、新地会長は「メガソーラー発電は、発電開始までの速さが勝負、1日遅れれば売電収入を捨てることになる」と語った。「儲かることはわかっているから、本当は売りたくない」と胸の内を明かす。同ファンドは、発電所のオーナーになるビジネスチャンスといえる。
弊社(株)データ・マックス催は、2013年1月24日、新地会長をゲスト講師に迎えて、メガソーラー発電と同ファンドの募集概要を熱く語っていただく講演・交流会を福岡市内で開催する。
※記事へのご意見はこちら