<100万kwの発電王への挑戦>
●芝浦グループHDの新地哲己会長(12月22日のファンド説明会講演から)
芝浦グループHDの新地哲己会長は、売上げ3億円の小さな設備会社が10年間で売上げ300億円になったのは、「環境ビジネスでこれだけの利益を出せる」ことを示していると自己紹介した。
新地会長は芝浦HDのメガソーラービジネスの特徴を「地産地消、現地でつくったものを私たちが販売する。今回のファンドも、証券会社を入れず、自社で証券化して販売し、売電利益を還元しよう」と語った。すでにメガソーラーエネルギーファンドに先立ち、全国初の分譲型メガソーラー(みやま合同発電所、23MW。総事業費70億円)を販売し(1区画3億4,000万円と6億7,000万円)、完売した。「しかし、この金額では、購入できる投資家は東京や大阪、九州でも大投資家に限られる。それでは、九州、福岡の地元企業に還元できない。メガソーラー発電所の建築に携わった工事会社から『工事代金しか儲からない。自分たちも売電して儲けたい』との声も聞き、ならば利益を還元しよう」と、1口500万の小口証券化を思い立った。同時に、設備投資資金調達にも有効だ。
2012年7月1日、固定価格買取制度がスタートした。当初、経済産業省は約278カ所スタートと言っていたが、実際にスタートできたのは全国3つ。「メガソーラー発電は、発電開始までの速さが勝負、1日遅れれば売電収入を捨てることになる」。
新地会長が、いち早くスタートさせることができたのは、芝浦HDが一環体制をとっているからこそだ。売電収入だけで儲けようというさもしい経営哲学ではない。常に、「成功すると思っていたから挑戦してきた」「時代の流れに乗っていくには、時代の変化を早く見切るか」という哲学を実践してきたからだ(以上)。
参加者30名が熱心に聞き入っていたが、メガソーラーのオーナーになるために500万の出資の要請にはかなりの人たちが応じたようだ。2013年注目の1社である。
<ビジネスの原点・セミナーから関心を寄せる>
●ディックスクロキの黒木透社長(12月22日のセミナー講演から)
ディックスクロキの黒木透社長は、人口減少が始まる『2030年問題』で様変わりする不動産オーナーへの的確なコンサルに乗り出した。すでに、土地神話の時代は過去のものになり、相続、入居者確保、修繕・リフォーム、家賃減収、金融機関への返済の逆ザヤ問題など、厳しい環境にさらされている。
セミナーでは、具体的事例をあげて、賃貸経営のノウハウを惜しげもなくさらけ出す。
「増族財産にビルを残すよりも売って現金にしたほうがいい、返済をリスクして先に借金を残すよりも売ったほうがいいケースがあります。郊外の物件だったら、売って中心部に移って、小さくなるが安定した賃貸経営をするのも方法です」「賃貸経営オンリーは駄目よ。土地持っている人で、1億円で建物を建てても年収800万円にしかならない。40代50代でサラリーマンが会社辞めてやるのは駄目。副業ならグー」「売るだけなら、不動産屋に直接頼めば、手数料1%払ってコンサルを頼まんでもよかと思うけど、不動産屋は、賃貸マンションに強いとか商業ビルに強いとか自分の強い専門に分かれていて、その分野の買い手をみつけられないところが落とし穴。売りに出して1カ月たっても売れない、2カ月売れないとなると、『不動産が1人歩き』して価格が安くなる。選択を誤ると安くしか売れない」。
「あとは、相談料はいただきませんので、具体的にお聞きして、相談に乗ります。賃貸経営は苦しいが、現況を把握してポジティブにまじめにやれば必ず入居者が埋まります」。黒木社長が断言できるのは、賃貸マンション・ビル経営を見る目の確かな知識と経験に裏打ちされているからだ(以上)。
参加者は70名を超えた。黒木透氏の神話はまだ生きている。本人曰く「セミナーでお客様の要望に応えるビジネスの原点に立ち返る所存だ」。
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