＜地元福岡を積極的に応援＞
　地元である福岡県を、積極的に支援する事業にも乗り出している。北九州市の中心市街地活性化基本計画の一環として、漫画、アニメを中心としたサブカルチャーを発信する大規模施設「あるあるCity」を12年４月に開業した。北九州市が運営する「北九州市漫画ミュージアム」も、この「あるあるCity」のなかに入り、漫画を描く漫画家、セル画を描くアニメーターなどの育成にも力を入れる。JR小倉駅新幹線口にあるこのビルは、ラフォーレ原宿が撤退後、人足が少なくなったが、駅から直結している好立地。開業後、漫画、アイドル、ゲームなどサブカルチャーのファンが集い、小倉の新名所となっている。
　大村社長は「もともと、北九州市が入ってくれるというのでスタートしました。地元のためというのもあります。経産省が、補助金を出すというかたちで認めてくれたというのも大きい。その看板があったことで、吉本興業、アニマックスなどのテナントが入ってくれました」と話す。

　最上階に、吉本興業が「あるあるYY劇場」を構えたことで、好展開を見せ始める。吉本興業のお笑い芸人やアイドルグループHKT48のメンバーらが、この劇場でTVQ九州放送の番組「あるあるYYテレビ」を公開収録。それまで、北九州でなかなか手軽に触れることができなかったお笑いライブを生で見ることができるようになっただけでなく、勢いのあるAKB48の姉妹グループNMB48（大阪難波が本拠地。吉本興業所属）のメンバーが小倉を毎週訪れ、博多を拠点にするHKT48も、あるあるYYテレビに出演。吉本興業の南海キャンディーズの山里亮太さんが出演したラジオなどで「明日は小倉でライブなので―」などと、あるあるCityのことを話題に取り上げたり、HKT48の人気メンバー宮脇咲良さんがグーグルプラスで「小倉のあるある劇場に南海キャンディーズさんと出演します。見に来てください」などとコメントしたりすることで、認知度が急上昇。オタク文化の聖地でもある秋葉原のUDX秋葉原に、小倉のあるあるCity情報を発信するアンテナショップも設置。アイドルファンやアニメ、ゲームのファン層に、あるあるCityの存在が、口コミやインターネットを通して広がっていった。

　小倉にアイドルや芸能人が集まるサブカルチャーの発信拠点ができ、さらに、漫画展などのイベントが常に行なわれ、九州だけでなく、山口、広島などの遠方からも客を集めている。大村社長は、「北九州市の市議会も協力的で、ありがたいことに、開業以来、客が増えてきています」と、北九州の盛り上がりに一役も二役も買っている。

＜「頑張れ九州男児」＞
　このところ福岡県全体で、ゲーム、IT、サブカルチャーなど新しい産業の発展の後押しに力が入っている。大村社長の地元・飯塚市も「飯塚アジアIT特区」となっており、飯塚リサーチパークなどベンチャー企業を支援する施設が充実。ここから羽ばたく企業も出てきている。
　アジアに目を向けると、中国などからIT分野で、多くの成長企業が出てきている。大村社長は、アジアのゲートウェイである福岡の奮闘を促す。

　「『九州男児」に頑張ってほしいですね。もっと頑張れるはず。日本の文化である漫画やアニメなど、サブカルチャーでは譲れないところ。IT部門の花形プレーヤーが、福岡から出てきてほしいですね」と、地元の若い世代を激励する。
　また、「雇用を生むためにも、知恵と情報を集めて、何とかしたいと思っています。今あるインフラを使って、次のビジネスを仕掛けていきたい。影響力のある大企業に成長させたいと思っています。夢のある会社、夢を与えられる経営者でありたい」と熱く語った。
　若い世代に支持されて成長してきたアパマンショップホールディングス。地元・福岡の活性化のために、次代を担う福岡の若者たちを応援していく。

≪　（前）　｜　

＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）アパマンショップホールディングス
代　表：大村　浩次
所在地：東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル
設　立：1999年10月
資本金：72億1,299万8,668円
ＴＥＬ：03-3231-8020
ＵＲＬ：http://www.apamanshop-hd.co.jp/

※記事へのご意見はこちら