一昨年あたりからNET-IBニュースの動画コンテンツが充実してきたが、近年のウェブ業界全体を見ても、ウェブ用の動画コンテンツが盛り上がりは顕著だ。
年頭にあたり、NET-IB動画ニュースをはじめとした、ウェブ用の動画コンテンツを制作している立場から、2013年のウェブ業界がどう動いていくのかを考察してみた。
<スマートフォンの普及で動画がより身近に>
2013年もスマートフォンの勢いは止まらない。スタイリッシュな形、操作の手軽さ、充実したアプリケーションなど、多くの人たちに受け入れられる要素が多い上、「気軽にパソコンを持ち歩ける」という最大の強みを持っている。ウェブ業界にとっては革命的で、パソコン用のホームページとスマホ用のホームページを分けて考えるのは、もはや当たり前の時代となっている。
こうした流れのなか、ウェブ用動画についての動きはどうなっているだろうか。大容量のハードディスクが携帯電話の中に入ったことは、誰もが簡単にムービー機能を使いこなせるようになったということだ。これまでのいわゆる「ガラケー」と言われる携帯電話にもムービー機能はあったが、画質も荒く、すぐに携帯電話の容量がいっぱいになることもあり、あまり使いこなされてこなかった感がある。ところが、スマホの普及で動画投稿サイトYoutubeにアップロードするところまでがワンストップでできるようになった途端、誰もが簡単に動画コンテンツづくりを楽しめるようになった。Facebookの台頭で動画コンテンツがさらに身近になってきたことも見逃せない。
<より見られるためには「短くて高品質」が条件>
誰でも簡単に動画コンテンツを作ることができるようになったとき、次に求められてくるのは、いかに多くの人に見てもらえるか、である。そのためには、動画のクオリティを上げる必要があるのだが、もうひとつ必要な要素は、適度な長さだ。普通の人は400字詰め原稿用紙1枚を約1分かけて読むとされており、テレビのストレートニュースも概ね1分尺で作られている。原稿用紙5枚以上の文章を読ませるには、よほどおもしろい内容でなければ、苦痛を与えるだけに終ってしまう。映像も同じで、5分以上の映像はよほどおもしろい内容でなければ、見てもらえない。
昨年の終わりから、第3世代(3G)携帯電話のデータ通信をより高速化した規格、LTE(Long Term Evolution)が都市部を中心に普及し始めた。これにより、ストレスなく動画コンテンツをストリーミング再生することが可能になった。忙しいビジネスパーソンにとって、5分以上もある動画コンテンツをダラダラと眺める時代ではないことは言うまでもない。
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