NET-IBでは、SNSやブログで情報発信を行なっている、佐賀県武雄市長の樋渡啓祐氏のブログを紹介する。
今回は、年俸制公務員制度について掲載している。1月5日午後10時45分のブログは以下の通り。
年俸制公務員制度を導入します
今時、年功序列ってどうかなって思いません?
公務員の場合、年齢によって給料も決まれば、定年まで年齢で自動的に決まる。
年功序列が全部悪いって言うわけではないけど、確かに、組織の安定性ってのはあるけど、これ100%ではダメ。しかも、武雄市役所の場合、係長になるのは、40歳過ぎてから。課長ともなると50代半ば。
人によっては、係長では有能であっても課長や部長では力を発揮し得ないというのも、前の職場から随分見て来た。
前置きが長くなりました。市議会でも質問があり、今、前田副市長を中心に考えていますが、武雄市役所では、来年度の後半(10月)から年俸制職員制度を導入したいと思っています。
私は、給与を含め待遇を部長級にしたいと思っていましたが、事務方からは、部長級と課長級の2種類が良いのでは、という意見があります。つまり、係長級の人間では、課長見習いに、課長級の人間は、部長見習いに。これはこれで、今の組織にはなじみやすいかもしれない。
僕は、末端、中間管理職、管理職、そして、トップを経験していますが、少なくとも僕の場合、トップかトップに近い方が、圧倒的に仕事が楽しい。決定権が大きくなると、それだけ、モチベーションが上がる。その分、責任もその分だけ大きくなりますが。
私が言うように部長級(理事)1本になるか、副市長が言うように、理事と課長級(参事)にするのか、これから詰めていきますが、いずれにしても、年俸制度にします。3年契約にして、目標に比べて、実績が上がらなければ、即降格。実績が上がれば、契約更改。
我々は、この人事制度でも風穴を開けていきますが、他の自治体でもこの動きが広がれば、年俸制職員同士のフリーエージェント制度が広がるかもしれません。
年功序列、終身雇用の悪いところは、人材を流動化させない。すなわち、固定化が進み、組織の躍動感が失われてしまうこと。もちろん、全員が年俸制度になる必要は全く感じないけど、その選択の幅を広げる、多様性を確保することは絶対に必要だと思う。
年功序列、年俸制、新規採用、IUターン採用、任期付き職員制度など、いろんなパターンがあったほうが、絶対に良い。
それとともに、人材を広く外の世界に求めたい。お陰様で、公務員の世界では武雄市役所の認知度はかなり上がっていて、前向きな人間が門戸を叩いています。そして、今は、そういった人材と一緒に仕事をしたいとなってきている。まさに人材が人材を呼ぶ、好循環になってきています。
この年俸制職員制度は二つの切り札の一つにします。もう一つは、さらに度肝を抜くことになります。ご期待くださいね。
樋渡氏のブログはコチラ。
※記事へのご意見はこちら