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【新春インタビュー】髙島宗一郎福岡市長「夢が描けるまち・福岡へ」(2)
行政
2013年1月 8日 07:00

<必要なのは『優先順位の最適化』>
 ――今年(2012年)の初め、「組織改革と財政改革に勝負をかける」と仰っていました。「福岡市の財源が800億円足りない」などと告知されておりますが、まだ遠慮されて発言されているように感じます。

 髙島 制度を改革することが目的ではなく、これからの時代においても持続可能な財政にしていくことが目的です。私は、「持続可能な福岡にするために、本当にすべき施策は何なのか」という施策の優先順位の最適化をしたい。「最適化ボタン」を10年前や20年前に押し、見直しもせずにそのまま行なわれている施策はないか。〝今の福岡〟にとって何が一番大事なのかということを明確にして、より優先順位の高いものを実施していくということが大事だと思います。

takasima.jpg そうしたなかで、行政は行政にしかできないことをやっていく。できるだけ増税せずに、必要性の高いサービスを提供していく。そのための優先順位の最適化を4年間で行ないます。もちろん、今までの経緯や歴史的なものもあるでしょうから、できるものから迅速に取り組んでいきたいと考えています。

 民間と違って市の場合は、1年に1回、予算を組んで翌年執行していきますが、今年から、予算をより効果的に執行するために、各担当局で工夫し、局の自立経営ができる仕組みにします。従来、財政局で一括して査定をし、重要度に応じて予算を振り分けていましたが、今回は最初から大部分を局に任せて、局の内部で事業の優先順位をつけ、予算執行をしていきます。各局で本当に必要な施策を考え、知恵と工夫を働かせ、効率的に予算執行するような仕組みを考えています。

 ただし、この仕組みは、局・部よりももっと小さなレベル、各係・課のなかで普段から「こういう行政サービスのあり方ってどうなんだろうか」とか「もっと効率的なやり方があるんじゃないか、これってムダだよね」といった議論が普段からなされていることが前提になるべきです。現場レベルで改善できることは現場レベルで改善する。現場でできないことは係・課を超えて部でやる、部でできないことは部を超えて局でやる。それでもできないものになって仕組み自体を改正するというのが本来のあり方だと思います。だから来年度にかけては、各係・課ないし区役所の各窓口が切磋琢磨をし、それぞれのなかでサービスの改善を図れるような現場活性の工夫も考えております。

(つづく)
【文・構成:山下 康太】

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