<投資立国への道>
少子高齢化が進むなか、家計金融資産の有効活用も、日本人が、考えなくてはならないことの1つだ。多くが預金として積み上がっている家計金融資産は、約1,500兆円あると言われており、その"国力"を寝かせておくのはもったいない。お金を動かして、日本経済を活性化させるべきである。
「預金のままではなく、そのなかの半分だけでも外貨になれば円安に動く。成長する新興国経済に投資するなど、効率的に運用できれば、日本経済にとってもプラス。グローバルに運用して、日本国民の所得を増やすことができれば効率的」と永濱氏。使い道は多い。預金をたくさん眠らせている人には、一部だけでも投資をしてもらい、お金が循環するような対応も必要だろう。
今後、少子高齢化の進む日本では、若い働き手が減ることが確実。グローバルな視点で、「投資立国」の道も考えるべきだろう。
<上昇を実感できる経済に>
安倍政権下で大胆な金融政策が推進され、円高・デフレ脱却に成功すれば、デフレスパイラルとは逆のパターンになると永濱氏は言う。
デフレの脱却、すなわち、物価が上昇→さらなる物価上昇圧力は、上昇前に物を早く買おうと行動する→消費意欲が上がることで、企業の収益増につながる→従業員の賃金上昇につながる→さらに消費意欲が上がる。という拡大経済になっていく。これまでは、デフレスパイラルで、給料が上がらない、買いたい物を我慢するという縮小経済に陥っていたのだ。
永濱氏は、「円高・デフレを脱却できれば、実感しやすい経済になるでしょう。ただ、円安になれば、エネルギー資源の価格が上昇するので、エネルギー政策を合わせてやっていかなければならないでしょう」と説明する。
さほどスキルが求められない仕事は、アジアなど賃金の安い海外に出る。これから就職する若者や現役世代が「スキル」を磨き、労働市場で発揮することで、日本経済の再浮上を支えることにつながる。そのことは自分自身が、再上昇する経済を"実感"するために不可欠なことだ。
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