<高まる教育環境、全国大会出場も多数>
――まちづくりについて重要な要素に教育があると思いますが、飯塚市の教育環境についてどのように考えていますか。
齊藤 飯塚市には、炭鉱閉山により衰退した負の遺産がありますが、最近の教科書では、筑豊はIT産業、自動車産業のまちとして紹介されています。自然環境も良く、地価も安価ですし、福岡市までの距離も近いことから、まちとしての潜在力は高いと思っています。
小学校の学力も全国平均を上回っています。しかし、中学校・高校の学力は福岡県内の他校区と比較しても決して高いとは言えません。その部分で教育環境の整備は必要です。まちづくりには行政だけでなく、地域の力も必要ですが、飯塚市は飯塚高校の甲子園出場を含め市民の活動は盛んです。そうした活動を広く周知するのは行政の仕事ですので、これからは広報活動にも力を入れていきたいと考えています。
――飯塚は歴史的にお菓子のまちとしての面も強いですね。
齊藤 県も力を入れており、2012年1月には飯塚市のコスモスコモンにて、「嘉飯(かはん)デザートラボ」を開催しました。ここでは、スイーツバイキングなどを行ない、前売券が完売するほどの大盛況でした。民間主催イベントでも、のがみプレジデントホテルやイオン穂波店にて「スイーツフェスティバルin筑豊」が行なわれ、飯塚市を含めた筑豊地区の市町村が後援しましたが、こちらも大盛況でした。
また飯塚高校は、2005年に製菓コースが設置されました。2009年の第2回スイーツ甲子園で優勝するなど、お菓子のまちとしての存在感も増してきているように感じます。あと、これは九州工業大学情報工学部のみの取り扱いですが、飯塚を代表する老舗菓子店「ひよ子」、「千鳥屋」、「さかえ屋」の3社のお菓子を1箱に詰めた「KITパック」を販売することで、学生が帰省する際におみやげとして飯塚を知ってもらうきっかけになればと考え、企画しました。
――医療・スイーツ・ITのまちとしての飯塚市の発展に期待しています。ありがとうございました。
≪ (中) |
<プロフィール>
齊藤 守史(さいとう もりちか)
1948年10月生まれ。日本大学商学部経営学科卒。1971年、一番食品(株)入社。76年、9月同社専務取締役、96年4月、同社取締役副社長、98年4月、同社取締役社長を経て、10年4月、同社代表取締役会長に就任。06年4月、新市発足にともなって行なわれた飯塚市長選挙に出馬し初当選を果たし、現在2期目を務める。信条は「我以外皆我師也」。
※記事へのご意見はこちら