ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

自前調達「食とエネルギー」シリーズ

燃料添加剤がもたらすエネルギー革命(後)~韓国にもオイル革命の到来か!!
自前調達「食とエネルギー」シリーズ
2013年1月12日 07:00

<「国民石油」という韓国の団体>
 各国政府が我先に通貨の量的緩和政策を実施し、物価は上昇するが所得はそれに追いつかないという現象が発生している。高騰する石油価格が厳しい家計を圧迫しているという厳しい現実も深刻だ。

 そうしたなか、一般消費者の石油に対する負担を少しでも減らそうという団体が発足し、韓国で話題を呼んでいる。韓国の「国民石油」という団体だ。この団体の目標は、消費者の石油に対する負担を最大で20%ほど減らすことである。現職大統領である李明博大統領もこのプロジェクトに賛同を示しており、この団体の株を10株持っているという。また、京畿道知事の金文洙氏や元全羅道知事である朴敏永氏といった各界を代表する錚々(そうそう)たるメンバー3,000名が発起人として参加しており、国会議員だけでも60名がそのメンバーとして名を連ね、代表には元厚生大臣の李泰照氏が就任した。現在、この団体に賛同して株主として参加した人が10万名近くもおり、出資金は総額1,000億ウォン近くなった。国民石油は5,000億ウォンほど集まることを前提に、2013年の上半期に正式に株式会社を設立する予定で、そうなればすでに韓国に存在する4つの製油会社に次いで、第5番目の製油会社になる。

 国民石油は既存の製油会社のように営利だけが目的ではなく、消費者の石油に対する負担を減らすためにいろいろな方法を模索していく。しかし、国民石油に前途洋々の未来が待っているかどうかについては、もう少し様子を見なければわからない。
 製油産業は装置産業であるため莫大な資金が必要であり、規模の経済が働かないと競争力が発揮できないからだ。
 国民石油が掲げた目標は理想的ではあるが、現実的にどのような方法で既存の製油会社以上の競争力を確保し、目標を達成するかは、明らかにされていない。
 また、精製施設を建設するまでに多くの時間が必要となるため、その間に何をするかも大事だ。さらに、資金も「Private Equity Fund」から1兆ウォンほどを調達する計画を立てているが、その金額が順調に調達できるかどうか、また調達できたとしてもその金額で対応可能かどうかといったように、変数が多い。

 こうした環境下で、日本のヴェスタエナジー(株)が開発した燃料添加剤である「ダイナパワー」は、国民石油にとっては渡りに船であったようだ。もちろん国民石油も、精製施設ができるまでの期間で3段階の計画を樹立している。
 第1段階では、「石油完成品(精製されたもの)」を価格条件の良いものを中心に輸入する計画を、第2段階では「石油半製品(そのままでは最終製品とはならない製品)」を輸入することなどの計画を立てているが、燃料添加剤の燃費効率が確実なものであれば、国民石油がこれを輸入して全面的に営業を展開するという。韓国ではすでに50種類ぐらいの燃料添加剤が販売されているが、ガソリンスタンドで販売されるのはそのうちの1種類だけで、残りはインターネット販売が中心になっている。
 順番としては、韓国の国家公認試験機関の試験成績書を取り、韓国内の有名研究所および大学教授に添加剤の性能を検証してもらう。その結果が良い場合には、ダイナパワーは国民石油はもちろんのこと、全世界に普及する可能性を秘めている。

 石油価格の高騰で、ビニールハウスなどの農家は大変。コストの問題で漁に出ることができない漁業関係者もいる。そんな彼らにとっても、ダイナパワーはエナジー革命に期待を抱かせるアイデアで、韓国市場はその試金石になりそうだ。

(了)
【劉 明鎬】

≪ (中) | 


※記事へのご意見はこちら

自前調達「食とエネルギー」シリーズ一覧
自前調達「食とエネルギー」シリーズ
2013年1月12日 07:00
自前調達「食とエネルギー」シリーズ
2013年1月11日 07:00
自前調達「食とエネルギー」シリーズ
2013年1月10日 12:14
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル