大丸と松坂屋ホールディングスの共同持株会社であるJ.フロントリテイリング(株)(以下J.フロント)は1月12日、基本合意後8カ月を経て、上海新世界グループと百貨店事業に関する事業提携契約を締結した。J.フロントからは奥田務会長ほか経営幹部が出席、上海市政府要人も立ち会った。
上海新世界グループは上海市屈指の商業地である黄浦区に、地上7階・延床面積約11万m2の百貨店を建築中で2015年初めまでの開業を目指している。
J.フロントとの提携については12年5月に基本合意しており、店長を含む人材派遣や、販売戦略、店舗運営などについての技術支援が見込まれていた。また店名には「上海新世界大丸(仮)」を予定。日本の百貨店づくりのノウハウをつぎ込むことで、中国屈指の高級百貨店が出現することが期待されていたが、基本合意後8カ月近く経過したものの、契約締結に至っていなかった。
尖閣問題発生後、急速に冷え込んだ日中間だが、今回の契約には双方の経営トップや行政も参加、上海エリアのビジネスが積極的に推進されていることを裏付けた形だ。
※記事へのご意見はこちら