全国生コンクリート工業組合連合会・全国生コンクリート協同組合連合会(ZENNAMA)が発表した2012年度の全国生コンクリート4~11月の出荷量の累計は、6,146万7,094m3で前年同期比105.8%。12年度は、それまですべての単月で前年比100%を超えた数値をカウントしている。その内訳は、官公需が2,603万1,248m3(同期比104.9%)、民需3,543万5,846m3(同期比106.4%)。官公需は、各地区で発生した異常気象の豪雨による河川災害の復旧工事の需要がキーファクターとなっている。一方の民需は、マンション開発の活発化や総合病院など医療機関の新設工事が目立っている。
昨年12月16日の衆院議員総選挙で自由民主党が圧勝し、3年ぶりに自公政権が復活した。東日本大震災の復興や災害対策のため、10年間で200兆円の公共投資を行なうとする「国土強靱(きょうじん)化」の実行が近づいている。さらに、中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故でクローズアップされた我が国のインフラの老朽化問題を受けて、生コン業界が活発化する公算が高まってきている。「『コンクリートから人へ』と民主党は掲げていたが、コンクリートこそが人の命を守るのですよ。インフラの老朽化への対策実施は、スピードアップしなければならない。生コン業界の市況うんぬんより、国民の生活を守るためのインフラ再整備です」と、九州地区の生コン業界関係者は語る。
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