16日、経営コンサルタントの大前研一が主宰する企業経営者ネットワークの福岡向研会が、福岡市博多区のホテルで１月例会を開催した。講師には（株）パンアジアパートナーズ（本社：東京都渋谷区）の代表パートナーである椿進氏が招かれ、「新興国のビジネスチャンスと活躍する日本人」のテーマで講演が行なわれた。
　椿氏は（株）ボストンコンサルティンググループ、国内の大手企業の社外取締役などを歴任した人物。現在、（株）パンアジアパートナーズの代表パートナーとして中国、インド、ベトナムなどの新興国へ進出する企業に、資金、人、知恵を提供するなど、自らリスクを取るフルコミット型の事業支援を行なっている。

　椿氏は講演のなかで、目覚ましい発展を遂げている新興国が今後も成長を続けるとして、アジアだけでも日本並みの市場が20年で10カ所、40年で20カ所も誕生すると予測。「世界の大成長時代のなかでビジネスチャンスはどこにあるのか？」という話題に参加した地場経営者らは熱心に耳を傾けていた。

　椿氏は新興国での成功のポイントとして、（１）トップが本気であることと現地を見て感じること、（２）技術、サービスなどに強み・勝てるものがあること、（３）現地とウインウインの関係を構築し、正しいローカル対応を行なうこと、（４）できる限り早く参入し、勝つまでやること、の４つを挙げた。椿氏はとくに（４）の点を強調し、新興国への進出は時間が経てば経つほど不利になると語った。

　そのほか、中国語がまったく話せないのに自ら志願し中国・上海店の店長になったというアパレル会社の女性や、学生時代に起業し現在、中国・インドを中心としたアジアでマーケティングリサーチを手掛ける女性起業家のインタビューも合わせて紹介された。

　向研会は経営コンサルタントの大前研一氏が代表を務める（株）ビジネス・ブレークスルー（本社：東京都千代田区）が運営。新しい時代のビジネスモデル創造を志す起業家らで構成され、大前研一氏とともに起業の経営戦略や組織、国際問題、地域経済などを研究し、今後の経営に役立てようという勉強会である。

福岡向研会においては、JR九州のほか、はせがわ、麻生グループなど福岡を代表する企業が会員となっている。会では毎月行われる定例勉強会のなかで、大前研一氏が世界を飛び回ってとらえた最新の動きや情報、戦略コンサルタントとしての視点を総動員し、刻々と変化する経営環境のその時々の「ベストソリューション」を会員とともに導き出すことに取り組んでいる。なお、参加希望は下記のお問い合せ先まで。

＜お問い合せ＞
■福岡向研会事務局（ＪＲ九州経営企画部内）
ＴＥＬ：092-474‐0747
■（株）ビジネス・ブレークスルー
ＴＥＬ：03-3239-0231（向研会事務局）

※記事へのご意見はこちら