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チャイナビジネス最前線

名刺交換した相手が商標権を先取り!?~ありえない中国の知的財産事情
チャイナビジネス最前線
2013年1月18日 13:20

0118_c_s_2.jpg 福岡市の福岡商工会議所ビルで中国ビジネスの知的財産に関するセミナーが行なわれ、チャイナビジネスに関心のある企業経営者など約40人が参加した。
 これまで数々の商標権のトラブルを実際に目の当たりにしてきた一般社団法人日中商標権情報センターの奥村謙介理事長と服部亮也理事が登壇、中国ビジネスにおいて、商標権の必要性や実際に起きているトラブルの事例についてレクチャーした。

 奥村氏は京都で中国を相手にした貿易会社を経営するかたわら、京都府の中国ビジネスコーディネーターなども歴任し、過去十数年に渡り、中国と京都の貿易の橋渡しをしてきた。そして、中国を相手にしたビジネスで、最初につまずくのが商標権の問題だという。これまで関わってきた企業においても「屋号を取られた」や「すでに商標権を申請されていた」などのトラブルは枚挙にいと間がなく、営利目的で相手の商標権を取る「冒認申請」をビジネスとする輩が増えているという。

 iPadの商標権を、アップル社が中国の名もない企業から買い戻すために巨額の金が動いた事案や、鹿児島の有名な焼酎「森伊蔵」や「魔王」がすでに商標登録されていた事案など、中国では商標権に関するトラブルが最近顕著になっている。奥村氏は、中国での商標権トラブルを野放しにしていては国益を損ないかねないと考え、同じ中国ビジネスに関わる服部氏ら5人とともに、昨年4月に一般社団法人日中商標権情報センターを立ち上げた。現在は、全国でセミナーを開催するとともに、商標の調査を無償で行なう活動を展開している。

0118_c_s_1.jpg ある企業は、テストマーケティングとして現地の百貨店の物産展に出展した際、何気なく中国人の男と名刺交換した。それから3年後、実際に中国に進出しようとしたところ、自社の商標権が取られていることが発覚。商標権を取られた相手について調査したところ、なんと3年前に名刺交換した男だったという。日本では物産展や展示会において、写真撮影禁止が一般的だが、中国では無法地帯だという。そこで、商標権を取る目的でロゴマークや商品を撮影する人間もいるという。先のiPadの事件などで、商標権の取得が巨額な金を生むという話題が出ると、それにつけこむ人間が出てくるのが中国という国なのだそうだ。

 日中商標権情報センターでは、10万円程度の予算で、商標権の申請から取得まで面倒を見ているという。奥村理事長は「中国ビジネスにおいて、商標権をきちんと管理することは必須になってきている。この程度の金額を渋るのなら、初めから中国ではビジネスをやらないほうがいいかもしれない」と話している。

【杉本 尚丈】


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