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福岡の特選企業

大失態から第二次創業を経て上場、創意工夫を凝らした冷凍ケーキ(前)~五洋食品産業(株)
福岡の特選企業
2013年1月21日 13:25

<信頼回復のための取り組みを重ねる>
 食品メーカーにとって、最も気を配らねばならないことが商品の安全性だ。各社が衛生管理に力を注ぎ、製造から流通の各過程に至るまで品質管理に力を注ぐが、そこまでしていても、時には大きな事故を起こしてしまうことがある。大企業であれば、そのダメージを吸収することも可能だが、地場中小企業にとっての事故は致命的なものとなりかねない。糸島市に本社を構える五洋食品産業(株)も、この苦い経験をした1社である。
 
 同社は1975年、博多区でナチュラルチーズ加工業として設立された。80年には洋菓子製造を開始し、95年には工場を新設するなど、事業は堅調に推移していた。ところが2000年11月、事態は一変する。
 商品回収を余儀なくされる事故が発生し、時を同じくするように、現社長の父親である先代の代表者が病に倒れる。事態を見限ったかのように同族の役員、従業員が大量に離職したうえ、銀行からも見放され、開店休業のような状態に追い込まれてしまった。その時点で経営のバトンを受け取ったのが現社長の舛田圭良氏だ。

 「事実上、倒産状態でした。残ってくれたアルバイトの従業員を正社員にし、すべてを見直さなくてはなりませんでした。会社を清算することも可能だったのかもしれませんが、事業を継続することで社会の信用を再び獲得する道を選択しました。実質的には創業そのものでした」(舛田氏)。

 事故を起こした原因は「ケーキ」。失った信用は「ケーキ」でしか回復できないと舛田氏は考えたという。

 「日々資金ショートとの戦い、人はいない、やり方は変えなくてはならない。すべてを一からつくり直しました。その頃、私の知人が事業に失敗し自殺したことを知りました。死や破産との背中合わせ―。経営は命がけということを学びました。それ以来、経営することの重みと喜びを感じながら職務を行っております」(舛田氏)。

 信用を一からつくり上げる―その作業は地道に、しかし夢を忘れることなく続けられた。スタッフを集め、ケーキに新たな切り口を見出していった結果、行き着いたのが「ありそうでない『冷凍ケーキの市場』を創設すること」である。

<冷凍ケーキで上場を果たす>
img.jpg ケーキをつくって販売する。それだけで十分に信用を再度獲得できるのか?二度と信用を失わないために、何かできることはないか?将来を見据えた戦略が常に舛田氏の頭のなかをめぐり続けたという。
 まず取り組んだのは、国際品質マネジメント規格であるISO9001の認証取得である。舛田氏の自動車メーカー技術者時代の経験が、生産ライン構築に活かせた。食品固有の品質管理を徹底的に見直し、事故が再発しない下地づくりを行なった。それでもまだ不安がよぎる。同じことをしていて将来性があるのか?信用を得るに足る努力はしているのか?その結果、1つの回答として、冷凍のメリットを活かしたケーキの販売に行き着く

 「おいしいケーキをいつでも楽しめるというのは、食卓を豊かにする意味でも、大きな意義のある仕事に思えました。そのため、ケーキ屋で売っているケーキと同等か、それ以上においしいケーキを冷凍で届けたいと強く思いました。その結果、素材選び、工程、輸送など、すべての工程の見直しすることになったのです」(舛田氏)。

 舛田社長はケーキ製造に携わってきたとはいえ、職人ではない。従って、詳しいつくり方などを熟知しているわけではなかったが、おいしいか不味いかは分かった。それが味を追求するための大きな武器となったのである。
 冷凍ケーキと言えば、業務用などを中心に存在はしていた。手軽さと利便性が高いため、ある程度の市場ニーズはあったのだが、大多数の一般消費者には認知されていなかった。同社はその現状に満足せず、手軽さ、利便性に加えて、おいしさを追求したのである。
 冷凍ケーキは一般のケーキと異なり、製造工程だけでなく、流通過程にも気を配らなくてはならない。流通過程で一度でも溶けてしまうと、味が落ちてしまうためだ。冷凍とは思えないクオリティのケーキをつくるために、同社はすべての工程と流通過程を見直した。

(つづく)

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できたてのケーキのおいしさを急速凍結。風味はそのままに、手軽に便利に。弊社の冷凍ケーキはケーキ本来のおいしさで食卓を彩ります。良質素材の味わいを存分にお楽しみくださいませ。

<COMPANY INFORMATION>
■五洋食品産業(株)
代 表:舛田 圭良
所在地:福岡県糸島市多久819-2
設 立:1975年5月
資本金:1億6,240万7,500円
TEL:092-332-9610
URL:http://www.goyofoods.co.jp/

<代表者 Profile>
masuda.jpg舛田 圭良(ますだ・けいすけ)
 1969年、福岡市東区生まれ。九州大学農学部卒業後、日野自動車(株)に入社。エンジンの設計開発に従事。97年五洋食品産業(株)に入社。01年、同社代表取締役に就任。趣味はモータースポーツ。

 たとえ国が壊れようと、たじろがず、己の経営使命を貫く経営者は、ここ福岡には数多く存在している!

―弊社代表 児玉直「発刊にあたって」より―

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発行人:児玉 直
取材・編集:(株)データ・マックス
発行所:(株)データ・マックス
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<ご購入申し込み先>
(株)データ・マックス
TEL:092-262-3388
FAX:092-262-3389



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