<「タオバオ」出店の成功のカギ>
宋さんによると「タオバオ」での成功のカギは、「アリペイ」の使用とチャット販売を挙げている。「アリペイ」とは、「タオバオ」の銀行のようなもので、「タオバオ」利用者の98%が使用しているシステム。商品が購入されると、購入者の「アリペイ」口座から商品代金分が凍結され、その後、出品者の商品発送が確認されれば、今度は「アリペイ」から出品者へと商品代金が振り込まれる仕組みになっているという。お互いの顔が見えないネットショッピングに、「信頼できない」と感じる中国人が多いなか、「アリペイ」を利用せずに販売を行なうことは、顧客を逃す大きな原因になると言えるそうだ。「アリペイ」の開設には、銀行の審査が必要で、多少の手間がかかりそうだが、出店のためには必要な手続きのようだ。
そして、もう1つ重要なのが「ライブチャット」を利用しての質問対応。日本人は、ネットショッピングの際、商品の説明文を読んで購入を考えるが、中国人で長い説明文を読む人はほとんどいないのだという。中国人は、商品の気になる事はすぐにチャットで質問をする傾向があり、チャット対応を迅速に、確実に行なうことは、売上げを上げることにつながるという。特に、夜は一番商品が売れる時間なので、チャット対応の人員を確保することが必要だと話している。
大きな市場を持ち、かつ手軽に始められるネット販売。中国進出を考えている企業にとって、「タオバオ」への出店は魅力も多いことだろう。しかし、気軽に始められるとは言え、日本とはすべてが異なる。まずは、売り方を知ること、中国人の商売方法を、買い手である中国人の気質を知ること、中国ネット市場を知ることが成功への一歩へとつながりそうだ。
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