<アベノミクスでも重要な柱>
日本経済が再生するためには、地方都市が元気になることが欠かせない。地方の活力が、今後の日本全体の経済浮沈のカギを握る。
しかし、東京、大阪など大都市への一極集中、少子高齢化による人口減少と、地方を取り巻く状況は、甘くない。いかに、地方経済を盛り上げるか――。安倍政権の緊急経済対策でも柱の1つになっており、地域の特色を活かした地域活性化を実現するために、9,255億円の国費を投入する。
地方経済を活性化させるための手法に、地域の魅力の発信、外からの活力を取り込む「観光の振興」がある。各地方自治体は、熊本県のくまモンのようなゆるキャラをPR戦略に使ったり、静岡県富士宮市の「富士宮やきそば」のようにもともとその地方にあった食を活かしたり、さまざまな手法で地域を盛り上げる策を打ち出している。
長期的な強いニッポン再生に欠かせない地方の活力。地域活性化の理想的なかたちとは、どのようなものなのか。
そこには、いかに官民がうまく連携し、「"若い世代のパワー"をどのように取り込むか」というキーワードが浮かび上がる。東日本震災からの立ち上がりを目指す福島県、宮城県、若い力の取り込みをユニークな作戦で狙う鳥取県などの取り組みを探った。
<「八重の桜」のチャンス活かす――福島県>
東日本大震災および福島第一原発事故から、間もなく2年。その風評被害でも多大な被害を受けた福島県では、復興に向けて一歩ずつ歩んでいるものの、いまだに深刻な影を落としている。
2013年、その福島県にとっては、グッドタイミングでNHKの大河ドラマ「八重の桜」の放映が始まった。幕末の会津藩が舞台となっており、女優の綾瀬はるかさん演じる会津藩出身の主人公・新島八重は、明治維新後、同志社創立者として知られる新島襄の妻となり、時代を代表する「ハンサムウーマン」として活躍する。華があり、逆境に負けない強い女性を描いている。
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