<会津若松エリアはドラマ効果あり>
会津若松市には、八重の桜の大河ドラマ館がオープンし、開館9日目の20日に来館1万人を突破。フェイスブック上にも「八重の桜プロジェクト」ページが立ち上がり、盛り上がりを見せている。
ただ、八重の桜の舞台の会津若松は福島県の西部。福島県中央部、震災と原発事故で多大な被害を受けた相馬・双葉エリア、いわきエリアなど沿岸部にも、盛り上がりを波及させなければ、観光業復活に向けての絶好機を生かしたことにはならない。
被災地域である相馬市の伝統的な祭りである相馬野馬追や、映画「フラガール」の舞台で知られるいわき市のスパリゾートハワイアンズなど、沿岸部にも魅力のある観光地は多い。八重の桜でのドラマの舞台巡りで、観光客の福島に向いた足を、沿岸部や温泉地などに絡めることができるかが課題になる。リピートしてもらうことに重点を置いてPRをしていく。
<修学旅行誘致では苦戦続く>
震災後、観光客は徐々に戻りつつあるが、修学旅行などの教育旅行は依然、苦戦が続いている。福島県東京事務所企画交流課の小谷野敏樹さんは、「個人ツアーなどは数字的には戻ってきている。ただ、修学旅行など教育旅行の数はまだ震災以前に戻っていない。ご理解いただきながら来てもらえるように、努めたい」と語る。
福島の復興、再活性化のためには、観光業の再生が欠かせない。緊急経済対策による予算や復興予算で、現場の要求にどれだけこたえられるか。「観光面に関して言えば、福島に来てもらって楽しんでもらうことが福島の活性化につながる。一部復旧作業が続いている場所もありますが、県内の大部分の地域で受け入れ態勢は整っている。震災を忘れないで、震災以前のように、普通に来てもらうことが、真の復興への第一歩と思っています。福島県のがんばりどころです」と、盛り上がり波及に東奔西走する。
震災からもうすぐ2年。この1年が、福島が元気を取り戻すための正念場となる。
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