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生コン業界再生の適正価格へ(後)~熊本地区生コン協組・味岡和國理事長
清明がほえる
2013年1月25日 15:18

 今回、NET-IBは、生コン業界の展望などについて、味岡理事長にインタビューした。

 ──熊本市内の協同組合の再編について、再編が実現した要因はどういったものですか。

 味岡 業界の適正化と安定化を各社に問いかけたことが大きいと思います。工事の入札自体が積み上げ方式になったため、100円でも安い生コンクリートを買いたいというのが施工側の主張です。組合工場は高い、アウトサイダーは安いという図式ですね。当然施工側は安い生コンを買います。すなわちアウトサイダーに流れるのです。2011年8月30日に旧熊本中央生コンクリート協同組合は解散いたしました。我々のような創業者が断腸の想いでの解散でありました。ところが、2代目以降の経営者は組合解散を歓迎する様子や言動が見られました。「君たち大変なことになるよ。今でも価格が安定していないのに、解散したらさらに窮地に追い込まれるよ」と警告したのですが...。

 案の定、地区内数社は、セメント代など原材料費の支払いもタイトになりました。数社は金融機関から融資が止められ、資金調達が絶たれました。地区内の1社はJISを返上して廃業いたしました。隣接組合の1社も破綻いたしました。12年4月に私のところに、解散を求めた経営者らが「やはり組合の再構築をして欲しい」と、嘆願してきました。

 私は、「今さら何を言うのか。解散して1年も経たないうちにもう音を上げるのか」「今回は手伝えない」と、1回は突っぱねました。よって彼ら同士が再構築する動きを試みたようですが、お互いが決裂し空中分解いたしました。その後、再度私のところに来て、「味岡さんで再構築をまとめて欲しい」と、要請がありました。現況を冷静に見ると、熊本市内の生コン業界が崩壊してしまう恐れがある。さすがに無視できない状況でありましたから引き受けました。各社へ丁寧に熊本市内の生コン市況について話し、業界の安定化に協力して欲しいと説得いたしました。そのほか、案件の振り分け、組合運営や財務マネジメントについての問題をクリアにすることを約束してようやく17社22工場をまとめました。12年12月12日に熊本県の組合認可が下り、12月20日に登記が完了いたしました。新たに熊本地区生コンクリート協同組合の誕生です。

 ── 一番の問題が生コンの販売価格です。その点についてお聞かせください

 味岡 熊本市の物件は約80%が建築で、すでに熊本市の建築部会に値上げに対するご理解をお願いしております。13年1月の新たな契約より建築の標準で1m3あたろ1万3,000円にするという主旨です。12年12月末までの契約については、旧価格で販売致します。ただしその契約においても、13年3月末日までに打設がなければ、新契とみなして1万3,000円といたしますという条件です。また、事前に昨年の12月に福岡の経済、物価の両調査会へ、価格の件で報告に行なっております。設計士会、熊本県の建築・土木関連セクションにも報告いたしました。熊本県には、「物価スライドで1万3,000円を認めて欲しい」と、要請しております。発注側や施工・設計側は約2倍以上の価格で簡単に容認できないとの姿勢です。何度も述べておりますが、1万3,000円は生コンの適正価格です。全国的に見たら少し下回っているのです。お互い話し合って共存共栄できる仕組みを構築していかねばなりません。

(了)
【河原 清明】

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