<有権者「議会改革の実行を!」>
改革への期待を受けて、いわゆる「第3極」が、地方議会で議席を獲得した。昨夜(27日)に投開票が行なわれた北九州市議選(定数61)。日本維新の会やみんなの党のいわゆる「第3極」は同選挙で、戸畑区を除く計6選挙区に各3人の公認候補を重ならず擁立(日本維新の会が、政令指定都市の選挙に公認候補を立てるのは初)。
選挙戦において両党は互いに選挙協力を行ない、過去最低の投票率41.95%というなかで6人全員が当選、うち3人が接戦のなか、中位以上での当選を果たした。「第3極」の候補者を支持した有権者からは、「本当に議会改革をやってほしい」という声が聞かれた。
同選挙では、民主党が政権を失い、日本維新の会が第3党となった昨年末の衆議院議員総選挙の影響が注目されていた。政権与党は、自民党19、公明党11と、選挙前と同じ議席数をそれぞれ獲得。自民会派には無所属の新人が加わることから、自・公、合わせて過半数を超える。
一方、民主党は、公認候補の10名(すべて現職)のうち3名が落選。トップまたは上位での当選がほとんどであった前回(2009年)と比較すると、公認候補の得票数はほぼ半減しており、得票数を有効投票数で割った得票率では、前回18.5%から今回10.8%と7.7ポイント下がるという厳しい結果。このほか、民主党と統一会派を組む社民党も議席を1つ失って2議席となった。
「第3極」の2党が同選挙を前に結んだ政策協定で1丁目1番地に掲げられたのは議会改革であった。具体的には、北九州市議会の議員定数を61名から50名への削減(最終的には40名が目標)と議員報酬の3割削減である。同市議会は、人口98万人に対して市議の定数が61。同じ政令指定都市で人口149万人の福岡市の市議の定数が62であることからも、議員定数が多すぎるとの批判がなされていた。しかしながら、議員報酬の削減や政務調査費の見直しが行なわれる一方で、議員定数削減の議論は進まず、市民から不満の声があがっていた。
八幡西区で初当選した、日本維新の会の「維新政治塾」の塾生であった、ペット美容室経営・荒木学氏(47)は、「会派のあり方は今後みんなの党と協議して進めていかねばならないが、どうであれ、議会改革は絶対にやる」と、意気込む。同じく維新の公認で、八幡東区で初当選した市民団体役員・平原潤氏(44)は、「選挙期間中、訴えた公約に対して『本当にやるのか?』と何度も問われた。今後の活動で見せていきたい」と、表情を引き締める。旧来の革新勢力が失った期待を取り込む形で当選した新人議員には、すぐに有言実行が厳しく求められることになるだろう。なお、「第3極」の2党は、市議会において発言力を増すため、統一会派を組むと考えられる。
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