高額料金セミナーへの勧誘が、医療の現場で行われていた。
1月31日の朝刊各紙で報じられた、(株)アースハート(本社:福岡県篠栗町)の脱税容疑。関連する宗教法人に寄付と装って所得を隠した疑いが持たれているというが、同社はすでに、福岡地裁で約7,095万円の損害賠償を求める集団訴訟を起こされており、動向が注目されていた。訴訟では、マインドパワーで病気が治るといったセミナーを開き、受講料として1人70万円を騙しとっていたとされているが、同社をめぐる問題はもう1つの側面がある。それは医療関係者への浸透である。
昨秋、北九州市に住む女性から「近所の整形外科の院長が、『治る』といって患部に手をかざす行為をしている」という声がNET-IB編集部に寄せられた。調べると、その病院の院長は、自身のブログに「アースハート」という名称が含まれた他ブログへのリンクがあり、記事の内容は宗教的な世界観と思える内容が綴られていた。一方、同病院のホームページには、「時代は統合医療へ」として、「マインドパワー~宇宙からのエネルギー」という記事で「現代医療・運動療法とマインドパワー(宇宙の医療)の融合」を目指すことが「医師としての使命」との記述があった。
同院長は、アースハートが関係するセミナーに主催者側として勧誘を行なっていたとされ、その対象は医療関係者のみならず、患者へもおよんでいたという。実際にブログの内容は不特定多数に情報を発信するものであり、熱心に普及活動に取り組んでいた様子がうかがえる。
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