福岡市の料亭「福岡屋」の女将・大野二三四(おおの・ふみよ)さん(90)が代表理事を務め、行政へ提言活動などを行なってきたNPO法人「ばさらの会」が28日、福岡市内で臨時総会を開き、解散を決議。21年の活動に幕を下ろした。
同会は、高齢、文化、国際、環境、教育と5つの部会で構成されており、夫婦間の問題で苦しむ女性の「駆け込み寺」としても活動。大野さんはあいさつで、設立の際に300人もの女性たちが集まったエピソードを振り返り、「さようならでなく、ありがとうと言いたい」(大野さん)と語った。臨時総会後に開かれた懇親会も「ありがとう!ばさらの会」と題された。
懇親会には、小川洋福岡県知事も来賓として参加。歌や演奏、居合道の演舞など、さまざまな余興が披露されるなか、同法人副代表理事である松尾新吾九経連会長も余興に参加して会場を盛り上げた。大野さんの出身地である長崎県壱岐市からは、玄海酒造(株)山内賢明会長、壱岐の蔵酒造(株)原田頴一社長が出席。両社から振る舞われた麦焼酎を出席者は存分に味わった。
「ありがとう!」の想いで包まれた会場、21年の活動を通して、「女性の手で世直しを!」という設立趣旨は、多くの女性たちに受け継がれている。NPO法人としての活動は終了するが、今後も「ばさらの会」や同会の趣旨に賛同した女性たちが、「子どもや孫に美しい日本を残すため」に活動を続けていく。
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