<代替拠点の適地として>
東日本大震災を受けて太平洋側にある都市で、近い将来起こりうる地震災害への不安が高まるなか、福岡市は「大型地震・津波の危険が少ない首都圏の代替拠点の適地」と言われている。福岡市博多区で1月31日に開かれたセミナーで、山崎一樹(やまさき・もとき)副市長が市政の現状と課題を解説。そのなかで、福岡市に日本におけるポジションは「第2エンジンに変わった」とし、九州大学跡地を東京のバックアップ機能として利用する考えを示した。
同跡地(東区箱崎)には、道州制を見据えて、九州の行政機能の集中させる案がある。今回のセミナーを主催した社団法人 国土政策研究会の理事・藤本顕憲福岡市議は、鳥栖・小郡(中九州)の発展を見据え、JR博多駅の筑紫口方面にある国の出先機関が入った合同庁舎を箱崎に移転し、同地区を再開発するアイディアを示した。九州の行政機能については、地理的に九州の中心にある熊本市へ持ってくるべきとの意見もあり、今後、道州制や広域行政を進めていく上では、県境を超えた闊達な議論が待たれるところである。
<官兵衛の前に『福岡検定』>
観光分野も担当している山崎副市長は、2007年6月から約2年、副市長を務めた京都市と福岡市を比較。景観の保全・再生から経済的価値を生み出している京都市の施策を紹介する一方、福岡市は歴史が観光資源として十分に活かされていないと指摘した。京都市では、京都の歴史・文化に関する知識を問う「京都検定」を実施しており、子ども向けの「ジュニア京都検定」は小学4年生全員が受験するという。山崎副市長は、来年(2014年)1月からは、福岡藩祖・黒田官兵衛を主人公としたNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が始まるが、その放映前に『福岡検定』の初試験を実施したい考えを示した。
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