<これでいいのか!?「日本の危機管理」>
陸前高田市の戸羽太市長は、震災時の民主党政権に、辛辣な見方を示す。「菅直人総理は、やる気がなかった。その後、総理が代わりましたが、民主党政権は、被災地にとって"変えられない"、"決断のできない"政治だったと言わざるをえない。ルールを緊急時対応にできなかったことに、がっかりさせられた。日本の危機管理はどうなるのか」と、国家の危機管理体制のあり方を危惧する。
復興を引っ張り、スピードアップさせるためのリーダーも、松本龍氏(内閣特命大臣)から平野達男氏(復興大臣)に短期間でスイッチ。足踏みを続けた。
<復興庁、「窓口が1つ増えただけ」>
被災地の復興を助け、スピードアップさせるために創設された復興庁も、その姿勢に、疑問符が付く。宮城県の村井嘉浩知事は「復興庁ではなく、査定庁だ」と、そのあり方を批判したことがあった。これまでの復興庁は、戸羽市長いわく、「『戸羽くん、無理を言うなよ』と、われわれ(被災地)を説得しにくる。ほかの省庁よりも一段上にいるという位置づけだったが民主党の時はそうではなかった。逆に、手続きをするための、窓口が1つ増えたような印象だった」という。
多少、被災地の要望に無理があっても無理を通すために頑張るのが、復興庁の仕事。『無理を言うなよ』と被災地に言いに行く調整役なら、復興を加速させるために税金を投入する意味は薄い。
「復興に向けて、被災地のために、ほかの省庁とケンカして戦ってくれるぐらいの復興庁であってほしかった」(戸羽市長)。
安倍政権になり、復興庁改革は一歩前進した。福島2区選出の根本匠衆議院議員が復興大臣に就任。ワンストップで決定できるよう権限が強化される。被災地を知っている根本大臣が、どれだけ被災地の期待に応えることができるか。
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