電気自動車の高い値段の理由はリチウムイオン電池である。「リチウムイオン電池の価格が、いまだに高いため、コストを圧縮することができない」と、両社スタッフは口をそろえた。次いで出る言葉も同じだった。
「もっと普及してくれれば安くなるのでしょうが...」。
一筆加えておくと、たしかに価格は高いがモーター駆動の電気自動車は加速性能や変速のスムーズさ、走行時のノイズなどの面では内燃機関エンジンを凌駕していると言われている。すーっと力強く動くのだそうだ。ある海外のテレビ番組でテスラモーターの電気スポーツカーを試乗していたが、加速性能はすばらしいと評価していた。
加えてデザインも先進的である。とくにリーフの内装、メーターは一見の価値あり。素晴らしく未来を感じさせるデザインが柔らかい内装に溶け込んで、まさに未来を感じさせてくれる。そういった部分をどの程度評価するか、によるだろうが、私はやはりまだ高いように感じてしまう。
最後に、せっかくの機会だから、三菱、日産の両スタッフに同じ質問を投げかけてみた。
「冬の雨の日の夜、暖房をガンガンに利かせて満充電でどの程度の距離を走ることができますか」。
エアコンを入れてワイパーをつけてヘッドライトをともす。ガソリン車ならば回転数が少し上がる程度の話だが、電気自動車の場合は致命的になるらしい。三菱の答えは「大体半分くらいですかねぇ。80キロ。そのくらいになると思います」。日産の答えは「暖房の影響は大きいでしょうね。50キロ程度になるかも知れません」。
電気自動車は蓄電池を持っているので、万一の備えとしても使うことができる。その上、加速性能、静粛性に優れ、走行時の汚染物質をゼロにすることもできる。非常に優れた技術であることは間違いない。太陽光発電や蓄電技術が進んだならば、あるいは走行にかかる費用をゼロに抑えることもできるようになるかも知れない。それだけの可能性を秘めている電気自動車だからこそ、より普及しやすい価格、電気スタンドが多数できるなどの普及しやすい環境に早くなってほしいと思ってしまう。この技術がどれだけすばらしいか、最後に日産リーフのカタログに掲載されている燃料代の比較を紹介して本稿の締めとさせていただきたい。
燃費14キロ/ℓのガソリン車と深夜割引料金を使って充電したリーフの両者が1,000km走ったとする。ガソリン車は1万571円(ガソリン代147円で計算)。リーフはなんと1,970円。本当にすばらしい技術である。「安い!便利!実用的!」と言える日が1日も早く訪れてほしいものだ。
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