中国では1月10日ごろから、北京市を中心に深刻な大気汚染が断続的に起きている。首都・北京では、国営のマスコミがいっせいに外出を控える呼びかけを行ない、北京市気象局は史上最悪レベルの大気汚染とし、これまでで最高レベルの警報を発令した。これはひとえに国家レベルでの工業の発展を急いだ結果と言い切れるものではなく、自己中心的な国民の意識そのものが招いた結果だと言っても過言ではない。
中国の大気汚染の原因は、主としてほとんど規制がなされていない、企業から排出されるCO2、自動車の排気ガスだ。それに追い討ちをかけるように、未だ石炭燃料を使っている家庭からのCO2排出。12億人を抱える大国がこれらの悪い条件をすべて巻き込んで発生したものが今回の事態だと言えそうだ。
中国の某週刊誌に先日「北京市に一日滞在すれば、たばこを21本吸ったのと同じ計算」とするコラムが掲載された。現在、世界の大気汚染都市ワースト10の中に、中国の主要都市が7つもランクインしている。このランキングを見れば、中国だけが世界の大国の中で突出している何かがあるのではと容易に推測できる。それは、中国に昔から根付いている「自分中心の国民性」の表れではないか。
中国人は「カネ至上主義」が多い。自分にとって儲かる話、プラスになること以外には興味がない国民性だ。路上にゴミを捨てることも、大きな声で話すことも、信号無視することも自分にとって利になるなら、他人への迷惑もお構いなしだ。他人の目などは全く意に介さないのが、良くも悪くも中国人マインドだ。東日本大震災のとき、行儀よく整列している日本人のことが大きく報道された。日本では当たり前のことが、中国では珍しい光景だったのだ。そんな自己中心的な国民性が今、地球全体を汚している国のナンバーワンと世界中から非難されている。
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