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今こそ節電と発電で九電に恩返ししよう
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2013年2月 4日 18:50

kyuden.jpg 九州の原発が動いていない。電気のスイッチを入れれば蛍光灯はいつも通りに光っている。冷蔵庫もいつも通りにビールを冷やしてくれている。けれども、その中身は前とまるで違う。これまでは原発による電力が4分の1程度含まれていたが、それがないのだ。その影響は実に大きく九電の決算内容に反映されている。

 昨日、九電の平成24年度3四半期連結決算が発表された。売上高は1兆1,326億円、四半期純損失が2,347億円となった。この調子で行くと、平成24年度の決算は3,650億円の赤字を計上することが予測されている。過去最大の赤字、未曽有の危機である。このペースで行くと、平成26年には債務超過に陥り電力の安定供給が危ぶまれるという。安定供給の危機とは、次のようなものだ。運転資金が底をつき、燃料を買うことができなくなる。備蓄されている燃料が減っていき、いずれ底をつく。燃料を新たに仕入れることができないので、発電所の火はいずれ消える。そして需要を満足させられなくなった瞬間、ブレーカーが落ちるように大規模な停電が起こってしまう。それが、この調子で進んだ場合の26年の電力の供給状態なのである。

 もちろん、九電も黙ってこの状況に甘んじているわけではない。前第3四半期と比べると人件費の圧縮などコスト削減に取り組んでいる。前期の人件費が1,259億円。今期の人件費が1,200億円。59億円もの圧縮を実現したのである。比率にして約5%も人件費を圧縮したのだ。平均給与833万円で、電力10社の中では2番目に高い給与水準の九州電力。が、これだけ自助努力をしていますから、どうか料金を8%ほど値上げさせてください、と現在経産省に申し入れている。

 ・・・。一般的な認識から言えば、おそらく、自助努力はまったく足りない。このままでは26年に債務超過に陥り、倒産の危機さえある。それが「わかっている」という対応には到底思えないのだ。たしかに給与は社員の生活に密着している。それゆえ簡単にいじることはできない。理屈ではわかるのだが、会社がなくなってしまっては給与もへったくれもない。会社設立以来、最大の危機に見舞われているというのに、実にゆったりしたものだ。経産省から、どういう判断が下されるか、見ものである。

 九電の赤字は原発が動かないことと、燃料費高騰によるものである。要は、売れば売るほど赤字になるのだ。つまり市民が、なるべく電気を買わないようにしてあげれば、九電の赤字は圧縮できる。節電して電気をできるだけ使わないようにしてあげようではないか。そして、できることなら太陽光などを導入して、九電の負担をさらに減らしてあげよう。半世紀以上にわたって九州の電力を支えてくれた九電。今は市民が節電と発電で恩返しするときなのである。九州人として、節電と発電で九電を支えてあげようではないか。ただ、それが成し遂げられたとき、九電はまだ電力会社と言えるのだろうか?「電力商社」と呼んだ方がいいかもしれないが・・・。

【柳 茂嘉】

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