1979年に始まった人口抑制政策「一人っ子政策」。この政策については、たびたび問題点を指摘してきたが、一人っ子政策後に産まれた人たち、いわゆる「80後」「90後」世代の人たちの性格について研究したオーストラリアの論文を、中国のウェブメディア「煎蚕」が報じたことで、中国人たちの間で物議を醸している。
この論文は、オーストラリアにある大学の研究チームが北京市内に住んでいる421人の中国人に対して、経済学に関する調査を行ない、その結果を分析したものだという。その結果、一人っ子政策前に産まれたグループと政策後に産まれたグループとでは、コミュニケーションに関する部分で大きな違いが出たという。研究では、政策後に産まれたグループについて、「わがままで他人を信用せず、競争やリスクが嫌い。消極的で責任感もない」とネガティブな表現のオンパレードだったという。
この研究結果を中国メディアが報じたところ、中国人からは、「一人っ子世代も苦労している」「全てを一人っ子政策のせいにしてほしくない」「上の世代だって、わがままで責任感はない」などと反論、インターネットの「微博」上では怒りが爆発している。
一人っ子政策によって、中国では男女比に大きな差が生じたり、結婚できない男性が増えたりするなど、さまざまな弊害が生まれているのも事実で、中国人の間では、「80後」の男性を「小皇帝」と名づけたり、未婚の人たちを「剰男」「剰女」と呼んだりと、何かとネガティブな呼び名で表現されている。研究チームは、この世代の「わがままで責任感のなさ」が、将来の中国経済にも少なからず影響を与えるだろうと警告している。
「ゆとり世代」「イマドキの~」などと、若い世代に対して何かとネガティブ表現が使われる日本では、この研究結果をどう見るのだろうか。
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