このところ、元横綱・大鵬関や歌舞伎界の重鎮・市川団十郎氏、そして政府税調の会長を務めた加藤寛教授など、各界の著名人が相次いでこの世を去っている。まだまだ活躍できる可能性も高い方々で、周囲の人々のみならず、本人にとっても無念の思いが残っておられるのではないか。
もし技術的に可能であれば、こうした人々の経験や肉体そのものを永久に保存し、未来の医療技術の力を借りて、然るべき時に命を蘇らせることもできたら、と思わざるを得ない。一見、SF映画や夢物語のように聞こえるかもしれないが、このような人類永遠の夢を実現するために具体的な研究や事業化を進めている組織が世界各地に存在する。
1996年にノーベル化学賞を受賞したスモーレイ博士の予測では「幹細胞の人工的な製造が可能となり、実際に人間の寿命を自由にコントロールできるようになるのは時間の問題」ということだ。具体的には2025年から2050年の間だろうといわれる。言い換えれば、それまで寿命がもてば、永遠の命を手に入れることも可能ということになる。
とはいえ、それまで命を維持することが難しいという場合もあろう。その際、残された可能性に賭けたいという人々にとっては、究極の切り札が残されている。それが「人体冷凍」である。自らの肉体を冷凍保存し、将来蘇生できる技術が確立するまで、静かな冬眠状態の時を過ごすという選択肢である。
21世紀の後半から22世紀になれば、今日の難病でも、不治の病でも、はたまたあらゆる老化現象ですら、病気の一種として完璧な治療方法ができ上がっている可能性がある。過去の歴史を振り返れば、そうした事例は枚挙に暇がない。冷凍保存と再生技術も例外ではないだろう。すでにそうしたサービスの恩恵を享受している人々もいる。
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<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ かずゆき)
参議院議員。国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選を果たした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。現在、外務大臣政務官と東日本大震災復興対策本部員を兼任する。
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