諸事情により長らく休載をしておりましたが、今月から再開しますので、またお付き合いくださるようお願い申し上げます。
さて、筆者は2010年度に北九州市小倉地区中心市街地活性化協議会のタウンマネージャーを務めていました。協議会では、小倉中心市街地を活性化しようとする民間事業についても後押しをしています。その成果として、当時から1年半が経過した小倉の街はかなりの変貌を遂げています。なかでも、今春オープンした大きな2つの事業は皆さんもよくご存知のことと思います。ともに中小企業庁の「戦略的中心市街地商業等活性化支援事業費補助金」(略称:戦略補助金)の交付を受けています。事業費の2分の1の補助で、かなり大きな金額が交付されています。
そのうちの1つが、「小倉駅北口商業ビル(ラフォーレ跡)再生事業」です。事業主体は、(株)アパマンショップホールディングスです。サブカルチャータウンとでもいうべき「あるあるCity」を小倉駅新幹線口に展開しています。8月に開業した北九州市の「漫画ミュージアム」は、この施設の上階に入居しています。この両者が一体となって、これまで停滞していた小倉駅新幹線口を一気に活性化させています。駅南側の商店街との連携も図られて、顧客の回遊性も増しているようです。
もう1つは、「小倉魚町3丁目複合商業施設開発事業」で、事業主体は、(有)リアルエステートサービスです。この施設は、小倉中心部に不足している駐車場(242台)を魚町銀天街に接して建設したもので、1階は明るいカフェや農産物の直売、軽食などを備えた、買い物客の憩いの場となっています。
次に9月末から10月初めに開業した2つの商業施設のご紹介をします。
1つは、筆者も少しお手伝いをさせていただいたのですが、第3セクター北九州まちづくり応援団㈱が管理運営する商業ビル(ビルの愛称がないのが惜しい)です。5年以上テナントが入っていなかった「サンリオ」所有のビルを、経済産業省「地域商業再生事業」の補助金交付を受けて再生させたもので、1階には全国でコーヒー豆などの輸入食品専門店を展開する「カルディコーヒーファーム」が入り、ビルの核となっています。2階には子育て支援施設「ママトモ魚町」、3階にはNPO等の活動拠点となる「多目的スペース」、4階には「北九州まちづくり応援団」が入居しています。
魚町銀天街にはカルディのような店がなかったため、同店の利用状況は上々で、老いも若きも利用するという様子を見せています。その集客効果は、周辺の店舗にも売上増をもたらし、目覚ましい成果をあげています。これぞ国からの補助金を受けて再生を果たした模範事例といってもいいでしょう。
2つ目が、10月1日に開業した「北九州屋台街小倉十三区」です。この計画も先の協議会に筆者が在籍した2010年当時から検討されたもので、夜の小倉を活性化させるためのものです。
事業主体は、燦キャピタルマネージメント(株)で9,000万円の投資だそうです。場所は、小倉駅小倉城口から数分の距離にあるコレット井筒屋の東側で、米町公園に面しています。
幅2m、長さ30mの細長い通路に13店舗が配置されており、北九州名物の関門海峡たこ専門店や焼きうどんなどの鉄板焼き、小倉牛のスペアリブ専門店などが入居しています。
これまで、小倉の歩道上の屋台は酒類提供禁止でしたが、ここは私有地に立地するため飲酒が認められます。北九州の方待望の、お酒の飲める屋台復活というわけです。小倉駅の東側は西側に比べて、とくに夜間は寂しかったのですが、今後はここも大いに賑わうことでしょう。
以上、北九州市、小倉地区はますます活気づくという最近の状況のご報告でした。小倉に行かれる際には、これらの施設をぜひ、ご利用ください。
(株)地域マーケティング研究所
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