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YOCASOL破綻で問われる救世主・ドーガンのちから(2)
特別取材
2013年2月20日 10:38

 「あそこが倒産してしまったら、地元の雇用に大きな影響がおよんでしまう。何とか再生させたい」――大牟田市に身を置く政治関係者のこうした想いは届かず、YOCASOL(株)は今年2月に民事再生手続を廃止。破産手続へ移行する見通しとなった。スポンサー候補の選定が難航したためという。その背景には何があったのだろうか。

<「ヤマダ電機スポンサー説」がおよぼした影響は>
yamada.jpg YOCASOLの市來敏光社長は、親しい知人に対して次のように本音を漏らしていたという。「もはや太陽光パネルは、海外の驚異的な開発スピードに勝てない。このままでは当社も厳しい」。それを聞いた知人は「YOCASOLは製造がメインで新技術の開発力はなかったから、その話は納得できる」との感想を抱いたようだ。

 結果的に約25億円の負債を抱え事業継続が困難となった同社は、民事再生法による再々出発を模索した。そこでスポンサー候補として名前が挙がったのが、家電量販店最大手の(株)ヤマダ電機だった。12年3月から同社向け製品の出荷が始まっていたことが、根拠の1つであろう。しかし結局、ヤマダ電機はスポンサーにはならなかった。

 この1件について、ドーガンの森大介社長は自身のブログにおいて「僕が新聞記者だったら」(今年2月6日付)と題して、自身の胸中を記している。以下、引用してみよう。

 「愛らしいY社の再生手続きの廃止に関する新聞記事につき3点述べさせてください。(1)記者の『弘法も筆の誤り』だと思うのですが...『多額の負債を抱えているから』、『多額の累積損失を抱えているから』スポンサーが決まっていないと書いてありましたが、法的整理にすることで過剰な負債や累積損失は一掃されますので理由にはなりません。(2)スポンサー選定が難航しているのにはもっと別の理由があります。わかりやすく言えば、メディアの方に重い責任があるってことです。(3)僕が新聞記者だったら、こういうことを書いて締めくくると思います。
 成功者は、例え不運な事態に見舞われても、この試練を乗り越えたら必ず成功すると考えている。そして、最後まで諦めなかった人間が成功しているのである。(本田宗一郎)」

 (1)は、そう記されていたのだとすれば、たしかに森氏の意見に首肯しうる内容である。厳しい論調であえて書くとしたら「もはやYOCASOLの技術力は他社でも安くまかなえ、価格面から考えても同社の成長に期待するスポンサー候補が現れなかった」と表現するのが妥当だろう。

 問題は(2)で、「もっと別の理由」は詳しくわからないが、「重い責任」が「メディアにある」とはっきり糾弾しているのだ。その意図を推測すれば、(A)「ヤマダ電機」とすっぱ抜かれたことで、もともと手を挙げる予定だったヤマダ電機が疑念を抱き、手を引いた。(B)もともと、スポンサー候補はヤマダ電機以外が選定される予定だったが、特定企業の名前が出たことで該当企業が怒って手を引いた。(C)いずれにしてもリーク記事と捉えられ、ドーガン(九州ブリッジ)の姿勢がスポンサー候補企業に疑われてしまった。

 たしかに、各メディアはスクープをいかに自分のところが早く出すかが勝負の分かれ目だと考えているフシがあるため、今回のヤマダ電機スポンサー説も推測もしくはリークに基づいて出したのかもしれない。それを選定妨害だと、スポンサー候補企業および森氏が捉えても何ら不思議ではない。

(つづく)
【大根田 康介】

≪ (1) | (3) ≫

<COMPANY INFORMATION>
■YOCASOL(株)
代 表:市來 敏光
所在地:福岡県大牟田市四箇新町1-5
設 立:2007年7月
資本金:3億8,000万円

■(株)ドーガン・アドバイザーズ
代 表:森 大介
所在地:福岡市中央区大名2-4-22
設 立:2004年8月
資本金:3,300万円


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