<新しい経営者による次世代の人材教育>
有澤建設(株)は、1917(大正6)年1月、有澤恒氏を中心とした数名の大工集団が起業したのが始まり。当初は戸建住宅の建築を手がけ、その後は事業を拡大しながら、日本の経済成長とともにマンションや公共施設などの建築にも携わるようになった。63年8月に有澤英一氏が事業承継したのち、50周年となる67年9月に有限会社として法人化。72年11月に株式会社へ組織変更し、以後、社内の機構強化を図ることになる。
97年2月、長らく本拠としていた福岡市城南区長尾から現在地へ本社を新築移転。そして同年9月、有澤家と親戚関係にある現代表・木下英資氏の父・泰博氏が代表取締役社長に就任し、この代で同社の組織づくりが大成した。2000年11月、持株会社の有澤ホールディングス(株)を設立。04年8月、有澤英一氏の子息で木下泰博氏の甥に当たる廣己氏が、48歳という若さで代表取締役社長に就任した。
東京の就職先から福岡に戻ってきた有澤廣己氏は、「中小企業がコストをかけにくいが、それでも大事なのは人材教育」という観点から、外部コンサルタントなどを活用した社内改革に着手。「お客さま満足度の向上を通じて業績を伸ばす」という企業としての目的意識を、全社員が共通して持てるような組織づくりを目指した。
この間の06年8月、組織の大幅な改編を行ない、有澤ホールディングスが営業・総務部門を、有澤建設が工事部門に特化する形態となった。そして10年10月、有澤廣己氏が代表取締役会長に、木下英資氏が代表取締役社長にそれぞれ就任し、現在の経営体制となった。
木下社長がまず着手したのが、次世代の同社を担う人材の教育。若い30~40歳の営業と工務を対象に「リーダー研修」を行ない、今後10年間でどのように会社をより良い風土に変えていくかを議論している。
「現在、リーダー研修は7~8人でやっているのですが、その場では、社員になるべく話させるようにしています。私が一言発すれば、それがどうしても結論になってしまいますから。方向性が間違っていれば私が修正しますし、少し間違っているくらいなら、わざとそのまま議論させます。そうしなければ、自分たちが考える能力やクセが身につかないと思います。1時間の予定が2時間になることもしばしばありますが、最後は私なりの結論を持ったうえで皆の話を聞いていますね」(木下社長)。
| (後) ≫
<COMPANY INFORMATION>
■有澤建設(株)
代 表:木下 英資
所在地:福岡市博多区博多駅南4-4-12
設 立:1967年9月
資本金:9,000万円
TEL:092-433-1811
URL:http://www.arisawa.jp/
<代表者 Profile>
木下 英資(きのした・えいすけ)
1971年、福岡県生まれ。90年に早稲田大学本庄高校を卒業後、早稲田大学に入学。95年、同大学を卒業後、西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)に入社。01年、同社を退社後、帰福して有澤建設(株)に取締役社長室長として入社。05年、同社常務取締役などを経て、10年、同社代表取締役社長に就任した。
たとえ国が壊れようと、たじろがず、己の経営使命を貫く経営者は、ここ福岡には数多く存在している!
このたびデータ・マックスでは、「日本を元気にする!福岡の特選企業107社」を発刊いたしました。本書籍は、昨今の経済状況下においてもそのパワーとエネルギーで躍進を続けている、地元福岡に本拠を置く活力ある企業を、業務内容や特色などとともに紹介するもの。成功の秘訣や経営戦略のヒントが、多く盛り込まれています。
企業人のみならず、就職活動の参考書としてもご活用いただけるこの1冊。ご購入の申し込みは、下記連絡先まで。
■「日本を元気にする!福岡の特選企業107社」
発行日:2012年12月12日
発行人:児玉 直
取材・編集:(株)データ・マックス
発行所:(株)データ・マックス
定 価:2,100円(税込)・送料別
<ご購入申し込み先>
(株)データ・マックス
TEL:092-262-3388
FAX:092-262-3389
※記事へのご意見はこちら