一般家庭をはじめ、食品製造工場、スーパー、外食施設、学校、病院、介護施設など、あらゆる場所から排出される「食品廃棄物」は、人間の日常生活とは切っても切り離せない。とくに人口が集中する都市部では膨大な量となり、その処分に要するコストは、自治体のみならず、企業、個人にとっても大きな問題となっている。それを解決する画期的な製品が、SINKPIA・JAPAN(株)(神奈川県横浜市、松岡清次社長)が開発した"消滅型"生ごみ処理機『シンクピア』だ。
<改めて消滅型が注目>
2012年4月に農林水産省が発表した「食品廃棄物等の発生量」によれば、食品廃棄物発生量は合計2,271万8,000トン(09年度時点)だという。増え続けるごみは環境破壊につながることから、2001年5月、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)が施行された。これにより、食品関連事業者は食品廃棄物の発生抑制・再生利用・熱回収・減量に取り組むよう求められ、一方で食品リサイクルを新たなビジネス市場と捉えて参入する機器メーカーが相次いだ。
そのなかで、主流となっていったのが「堆肥化」だった。なぜなら、"循環型システムの構築"という大義名分を達成する手段として、廃棄物を肥料化し農業に生かす堆肥型処理がもっとも適した方法だと見なされたからだ。自治体などから補助金が出るようになったこともあり、大型の業務用のみならず小型の家庭用生ごみ処理機まで登場。20年ほど前には、家電量販店に何種類もの家庭用生ごみ処理機が陳列された時期もあった。
しかし、堆肥化では、生じる生成物に市場価値があるかどうかが重要となり、そのための夾雑物(不純物)除去が問題となった。たとえば農家が肥料として使用する場合、塩分量、魚を分解した場合の重金属の有無、酸性・中性・アルカリ性といったph値など、さまざまな基準値や条件が生成物の成分に求められた。
こうした問題解決の糸口として、改めて「消滅型」の処理方法が注目されている。堆肥型とは違い、消滅型は微生物を利用して食品廃棄物の分解し、消滅させる。実はこれまでにも、消滅型生ごみ処理機は幾度か登場していたが、臭い汚れ騒音に対するメンテナンスの難しさから、利用は限定的で普及するまでには至らなかったという歴史がある。
以上のような、さまざまな食品廃棄物の処理をめぐる問題を一気に解決する可能性を大きく秘めた製品が、SINKPIA・JAPAN(株)が開発し(株)シー・アール・シー(福岡市東区、江川洋代表)が九州総括代理店として販売を手がける『シンクピア』である。
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<COMPANY INFORMATION>
■(株)シー・アール・シー
シンクビア事業部
所在地:福岡市東区松島3-29-18
TEL:092-623-2130
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