<地域の所得向上なくして発展はない>
2月26日、福岡市博多区下川端町にある福岡アジア美術館「あじびホール」にて、弊社主催の第10回IBC例会を開催。第10回目を迎えたIBCは今回元総務官僚で現在、佐賀県武雄市長として地方から変革のうねりを起こし、全国の注目を集めている樋渡啓祐氏を講師に迎え、「ベンチャー企業を武雄市に呼び込む戦略とは? 樋渡行政経営の次なる展望とは」と題して講演会を実施した。
月曜の夜という時間帯にもかかわらず、中小企業経営者を中心に、約130名が参加し、熱心に樋渡市長の講演に耳を傾けた。
講演で樋渡氏は、フェイスブックを活用した自治体通販サイト「FB良品」を展開しており、21日に那須町の高久町長、大刀洗町の安丸町長、伊万里市の塚部市長など首長6名や事務方の職員らとともにシンガポールを訪れ、FB良品の商談会を行なったことを紹介。
自治体行政のあり方については「地域の所得向上なくして地域の維持発展はできない」「昨日より今日、今日より明日、所得が伸びるということをまっとうに稼ぐスキーム(枠組みを持った計画)をつくりたい」との展望を明らかにした。
また、武雄市の取り組みは、「広域行政を活用すれば小規模自治体でも取り組みは可能」だとし、「行政に言い訳をさせないことが重要だ」と強調した。
<行政と民間が組めばビジネスチャンスが>
さらに樋渡氏は、出席した中小企業の経営者に向けて「ぜひ、武雄に支店をつくっていただきたい」として、構想されている事業支援資金は、「貸すのではなく貸与する」と明言。「その分は、税収と雇用で返していただきたい」とファンド構想を説明した。また、「行政を使わないのは損だ」として、民間事業者が行政と組むことがビジネスチャンスになることを訴えた。
ほかに、武雄市立図書館にスターバックスがテナントとして入店し、武雄市オリジナルのマグカップをつくるなどの身近な動きの報告も行ない、ジェスチャーを交えた軽快な話ぶりに、参加者からは笑いとどよめきが起こっていた。
終了後、樋渡氏との名刺交換や握手を求める行列ができ、気さくに写真撮影に応じていた。参加者の1人は「フェイスブックではつながっていましたが、初めて樋渡さんにお会いできて感激しました。帰ってからも興奮は冷めないと思います」と語っていた。
次回のIBC例会は、3月26日(火)の夕方6時から開催の予定。IBC初のコンサート形式で行なわれる。演者は、昭和を代表する作曲家である古賀政男氏が認めたアントニオ古賀氏。IBCの特別ゲストとしてリサイタルを催し、往年の名曲をご披露いただく。ぜひ奮ってご参加いただきたい。
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